オリックス・宮城 おねだり効果475%アップの5000万円で更改「来年もっと頑張るのでお願いします」

[ 2021年12月8日 05:30 ]

大幅アップの契約更改に笑顔で喜ぶ宮城(撮影・後藤 正志)
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 オリックスは7日、大阪・舞洲の球団施設で6選手が交渉を行い、宮城大弥投手(20)は4130万円増の来季5000万円で契約を更改した。475%アップは球団史上3番目。高卒3年目の5000万円到達は1996年平井正史(6000万円)級のスピード昇給となった。若き左腕は来季以降、今季の投手4冠に輝いた沢村賞右腕・山本から最優秀防御率のタイトルを奪い取るべく、意欲を示した。

 弱冠20歳とは思えない落ち着き払ったマウンドさばきと投球術同様、宮城は交渉の席でも“老かい”だった。

 「最初は5・2、3、4倍…。でも“9個貯金したし、少しは優勝に貢献したと思いますし、来年もっと頑張るのでお願いします”と言ったら、もうちょっと上がりました。キリのいいところに」

 今季870万円から来季5000万円への大幅増。球団の当初提示額が仮に5・4倍なら4700万円前後。甘え上手なキャラをフル活用した一声で約300万円の増額を勝ち取った。475%アップは球団史上3番目の昇給で、高卒3年目の5000万円突破は96年平井正史(6000万円)級のペースだ。

 「額に見合った投球をしていかないといけない。防御率をもっとよくできたら」。見据えるのは今季、山本が独占した先発投手の主要4部門の一つ、最優秀防御率タイトルだ。「(山本の防御率1・39で)1点以上離れてしまったので。時間はかかると思うが、いつか由伸さんを抜いて、おちょくりたいです」と不敵に笑った。

 高卒2年目の今季は絶対エース・山本との2枚看板に急成長。球団では64年ぶりの10代開幕カード先発勝利、87年桑田真澄(巨人)以来の10代両リーグ最速10勝も記録。13勝、防御率2・51、勝率・765は山本に次ぐリーグ2位で、25年ぶりの優勝に貢献した。

 同学年には「令和の怪物」ロッテ・佐々木朗、ヤクルト・奥川らがいるが、実績は宮城がトップ。「佐々木や奥川の方が、まだ世間的には印象が強いと思う。今から頑張っていければいいのかなと思います。由伸さんという最高のお手本が目の前にいるので、それくらいの投手になれるように」。世代を超えた球界ナンバーワン左腕を目指し、さらなる成長曲線を描く。(湯澤 涼)

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