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日本ハム・斎藤佑樹、引退 ハンカチ王子プロ11年目33歳「肩も肘も股関節も腰も」限界

[ 2021年10月2日 05:30 ]

千葉・鎌ケ谷の2軍施設で取材対応した日本ハム・斎藤
Photo By 代表撮影

 爽やかに現役生活に別れを告げた。日本ハムの斎藤佑樹投手(33)が1日、今季限りで現役引退することを表明した。早実のエースとして06年夏の甲子園で7試合948球を投げ抜き優勝。「ハンカチ王子」の愛称で人気を集め、早大を経て10年ドラフト1位で入団した。12年に開幕投手を務めるなどしたが、故障に苦しみ、昨年は右肘内側側副じん帯を断裂。再起を期した今季も1軍マウンドに戻ることができず、11年間のプロ生活に幕を下ろすことを決断した。

 激しい雨が屋根を叩く。千葉・鎌ケ谷にある2軍施設の室内練習場。ユニホーム姿で対応した斎藤はすっきりした表情で、今季限りでそのユニホームを脱ぐことを表明した。

 「いろいろな思いはあるんですけども、一番はファイターズというチームで11年間、最高の仲間とプレーでき、とても幸せな気持ちでいっぱいです」

 涙や暗い雰囲気はない。時折、笑顔ものぞかせ「小学校1年生から野球を始めて、野球のおかげでつながった人がたくさんいる。そのおかげで今、幸せな気持ちでここに立っていられる」と熱い感謝の思いを口にした。

 06年夏の甲子園、駒大苫小牧と決勝引き分け再試合の末に優勝。青いハンドタオルで汗を拭う姿から「ハンカチ王子」と呼ばれ、社会現象になった。直接プロ入りせず早大で活躍した後、10年ドラフト1位で入団。ただ、プロ入り後は故障に苦しんだ11年間だった。マウンドで、高校時代よりも輝くことはできなかった。

 1年目に6勝、2年目の12年は開幕投手も務めたが、何かをつかみかけるたびに故障でさまたげられた。引退を決意するまでのこの1年は、昨季中に痛めた右肘との闘いだった。「内側側副じん帯断裂」で本来は手術が必要だったが、PRP(自己多血小板血しょう注入)療法を選択。「僕には手術してリハビリに1年かける時間はない」と強い覚悟で、今春キャンプでは1日200球を投げ込むなど、じん帯に負荷をかけながら治す画期的なプログラムに取り組んだ。

 しかし、右肘の回復は順調だった一方、出力を上げていく中でフォームを崩し、右肩の状態などが悪化。「細かいことを挙げればきりがない。どこがということでなく、肩も肘も股関節も腰も、全部ですね。今、どこか一個治るからと言われても(現役続行は)難しいと思います」。そう語った通り、最後は満身創痍(そうい)だった。

 引退の最大の理由について問われ「一番は体のケガですかね」と言った。再起に懸けた今季。「去年肘をケガしたとき、今年一年で結果が出なかったらという思いでやってきたので、それが一番かなと思います」。1軍マウンドへ戻れなかったことで決断した。

 注目され続けたプロ生活に別れを告げた斎藤。今後についてこう言った。「前だけを見て進んでいこうと思います」。常に前を向く姿勢は、これからもずっと変わらない。(秋村 誠人)

 ◇斎藤 佑樹(さいとう・ゆうき)1988年(昭63)6月6日生まれ、群馬県出身の33歳。早実では高3春夏の甲子園出場。夏の決勝は駒大苫小牧との延長15回引き分け再試合の末に優勝。「ハンカチ王子」として一世を風靡(ふうび)する。早大ではリーグ6人目の通算30勝&300奪三振を達成。10年ドラフト1位で日本ハム入団。11年4月17日のロッテ戦でプロ初登板初勝利。通算成績は88試合で15勝26敗、防御率4・34。1メートル76、77キロ。右投げ右打ち。

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