ソフトバンク 過去4戦4敗鬼門の沖縄で初勝利! 米国代表入りのマルティネスがチームトップの6勝目

[ 2021年7月4日 05:30 ]

パ・リーグ   ソフトバンク7-1日本ハム ( 2021年7月3日    那覇 )

<日・ソ13>6勝目を挙げたマルティネスは笑顔で「6」ポーズ(撮影・岡田 丈靖)
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 ソフトバンクは3日、日本ハムに7―1で勝ち、過去4戦4敗だった沖縄での公式戦で初めて白星を挙げた。日米の五輪代表組が競演。ニック・マルティネス投手(30)が来日初完封目前の9回にソロアーチを許し1失点も、チームトップの6勝目。この日発表された東京五輪米国代表入りを自ら祝った。侍初選出の栗原陵矢捕手(25)も負けじと初回に決勝2点打で援護した。

 海を渡って4年目。来日初完封まであと3人だった。9回先頭の高浜に投じた100球目。打球は左翼席最前に飛び込むソロ本塁打になった。マルティネスはここで降板しナインにハイタッチで出迎えられた。試合後、手を叩いて悔しそうに話した。

 「(完封を)できれば、というのはあった。でも野球の神様が嘉弥真さんに沖縄で登板を、ということだと思います。次頑張ります」。自らの記録よりもチームメートのがい旋登板を喜ぶナイスガイだ。

 今季自己最長の8回0/3を1失点。文句の付けようがない。これまでは主にチェンジアップを決め球に使ってきたが、この日は直球で押した。4回1死一、二塁。4番・近藤には150キロ直球でニゴロ併殺。7回2死満塁でも渡辺を147キロ直球で左飛に打ち取り、ピンチを脱した。「フォームもリズムも体のタイミングも、全部うまく一致した。角度のあるボールで勢いもあったと思う」と満足げに振り返った。

 チームにとって那覇は「鬼門」だった。18年は上沢に完封されるなど日本ハムに2連敗。19年も西武に2連敗し4戦全敗。2年ぶりの沖縄シリーズで呪縛を解いたマルティネスの投球に工藤監督は「暑さもあって、8回というのはあった。本人の気持ちはよく分かります。0で抑えるのは何よりも目標だと思う」と投手心理に寄り添って称えた。

 チームトップの6勝目を挙げた助っ人右腕にこの日、東京五輪米国代表選出の朗報が届いた。人生で初めて星条旗を背負うことに「子供のころから、国を代表することは夢見ていたこと。謙虚に光栄に受け止めながら、胸に書かれている国(星条旗)のために頑張っていきたいと思う」と声のトーンを上げた。

 初の地方球場登板で、気に入った食べ物は「オキナワソバ」。笑顔で「メッチャオイシイ」とマルちゃん。間もなく侍のライバルになる頼もしい男は、故郷のフロリダを思わせる南国がお気に入りの地になりそうだ。(福井 亮太)

 《侍・栗原が先制打》侍ジャパンに初選出された4番・栗原が流れを呼ぶ先制打を放った。自身にとって初出場の沖縄シリーズで、初回1死二、三塁からスライダーを捉え右前へ2点タイムリー。6月18日には1失点完投、18年6月には沖縄で零敗を喫している日本ハム・上沢の立ち上がりを急襲し、4回KO劇の布石をつくった。「チームでつないだチャンスだったので、先制できて良かった」。工藤監督も「自分の信じた球種をしっかり振り抜けた。あれは良かった」と評価した。最近10試合連続で4番に座る栗原は、きょう4日が25歳の誕生日。天敵右腕を攻略した勢いで、チームを3カードぶりの勝ち越しへ導く。

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