楽天・浅村、平成生まれ初の1500安打 3安打固め打ちで一気決めた チームは交流戦首位返り咲き

[ 2021年6月11日 05:30 ]

交流戦   楽天5―2中日 ( 2021年6月10日    楽天生命 )

<楽・中>6回1死一塁、通算1500安打を達成する浅村 (撮影・白鳥 佳樹)
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 霧が晴れた。6回1死一塁。楽天・浅村が143キロの直球にバットを出す。クリーンヒットで打球は右前へ。史上130人目、平成生まれでは初めてとなる通算1500安打達成。決勝打を含む3安打の固め打ちで、チームを交流戦首位の座に返り咲かせた。

 節目まで残り3本としていた試合前。心の中はモヤモヤしていた。「チームの足を引っ張ってばっかり。元のスイングに戻さないとチームに迷惑を掛けてしまう」。打率は5月4日の・340をピークに・284まで下降。前夜は2度の満塁の好機をつぶし、試合後はユニホームのまま室内練習場で午後11時ごろまでバットを振り込んだ。一夜明け、西武時代の先輩でもある渡辺打撃コーチからタイミングや間合いの取り方について助言を受けた。初回の1打席目に放った左前打をきっかけに波に乗った。

 大阪桐蔭時代から俊足巧打の内野手として注目を集めた。3年夏の甲子園は「1番・遊撃」で全国制覇に貢献。圧倒的な打撃センスにはライバルチームも舌を巻いた。準決勝で対戦した横浜高の記録員としてベンチ入りしたのが札幌テレビ・工藤聖太アナウンサー。「浅村選手のデータ分析をしたら、弱点がどこにもなかった。みんな“どうやって抑えるんだ”と頭を抱えていた」と振り返る。

 プロ2年目の10年3月31日のソフトバンク戦でプロ初打席初安打を放った。「当時はここまでやれるとは思っていなかった」と振り返るが、球界屈指の強打者に成長を遂げた。「2000安打は想像もつかない領域だけど、高い目標を持ってコツコツやっていきたい」。まだ30歳。次の金字塔に到達するのは、そう遠くない。(重光 晋太郎)

 《年少10位タイ達成》浅村(楽)が100度目の猛打賞で通算1500安打を達成。プロ野球130人目。初安打は西武時代の10年3月31日のソフトバンク戦で岩崎から。30歳6カ月での到達は榎本喜八(東京)の27歳9カ月を筆頭に藤田平(神)、大村直之(ソ)に並ぶ年少10位タイ。なお、浅村の生年月日は90年(平2)11月12日で、平成生まれ初の1500安打到達となった。

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