DH制の社会人野球で珍事 JR東海・戸田が延長10回2点打&1失点完投の“リアル二刀流”

[ 2021年4月26日 13:48 ]

第71回JABA京都大会 予選リーグDブロック   JR東海5―1大阪ガス(タイブレーク延長10回) ( 2021年4月26日    わかさスタジアム京都 )

<大阪ガス・JR東海>延長10回1死一、三塁、JR東海・戸田が右中間越えの2点適時二塁打を放つ(撮影・亀井 直樹)
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 DH制の社会人野球で前代未聞の珍事が起きた。2―0の延長10回1死一、三塁、投手の戸田公星(32=日田林工)がキャリア15年目で初打席に立つと、絵に描いたような右中間を真っ二つに破る2点二塁打でダメ押し。投げても延長10回をわずか108球、4安打8奪三振1失点(自責0)で完投し、社会人野球では非常に珍しい“リアル二刀流”を演じた。

 「フットガードをつける時間がなくて、ピッチングに影響が出ないよう、左足に自打球を当てないように逆方向を意識して打ちました。いいポイントで打てたと思います」

 9回裏、JR東海は守備変更で投手の戸田が4番に入った。試合は均衡が破られないまま0―0で延長10回タイブレークに突入。先攻のJR東海は6番から始まり、戸田まで打順が回る想定ではなかった。2点を勝ち越したからこそのうれしい誤算。しかも今秋ドラフト候補に挙がる大阪ガスの左腕、田中誠也(23=立大)からの一打だから恐れ入る。

 高校時代は通算で20本塁打近く放っており、クリーンアップも務めた強打者。だが社会人では当然、普段から打撃練習を頻繁にしているわけではない。「ノックバットでのロングティーぐらいです。これでずっと10割バッターですね」とおどけた。本業の投球でもフォークがさえ「いつもより叩こうという意識はしていた。バッターの手元への、ボールの入り方が良かった」と終始笑顔だった。

 日田林工から07年にJR北海道入社。17年に移籍してきた苦労人だ。15年目を迎えても「若いもんには負けないつもりでやっている。野球をやっていて本当に楽しいし、まだまだ高みを目指したい」と気力は衰えない。出場権を得られれば、日本選手権や都市対抗という全国の舞台でも“リアル二刀流”が再び見られるかもしれない。

 ◆戸田 公星(とだ・こうせい)1988年(昭63)5月30日生まれ、大分県竹田市出身の32歳。城原小1年から城原スポーツ少年団で野球を始め、竹田中では軟式野球部に所属。日田林工では2年秋からエース。甲子園出場はなし。JR北海道に進み、17年からJR東海に移籍。最速144キロに球種はツーシーム、スライダー、カーブ、フォークを操る。1メートル82、84キロ。右投げ右打ち。

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