ロッテ・山口 プロ初マルチ 天敵の岸を攻略!「狙っていなかったが体が反応」 

[ 2021年4月14日 05:30 ]

パ・リーグ   ロッテ6ー2楽天 ( 2021年4月13日    楽天生命 )

<楽・ロ4>2回2死から左越えに同点ソロを放つ山口(撮影・長久保 豊)
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 “詠まずに”打った。1球目、外角105キロはボール。2球目、やや外角105キロを見逃し。1―1の平行カウント。「直球も頭にあった」。ロッテ・山口は岸の3球目へ神経を研ぎ澄ませた。3球連続。真ん中へ一番、甘く入った106キロのカーブ。左翼ポール際、中段へ運んだ。

 「(カーブを)狙ってはなかったけど体がいい感じにしっかり反応してくれて打てた。力感なくしっかり振り切れた」

 1点を追う2回2死走者なし。初対戦で「一度浮いて目線から外れる」と評した岸からの2号同点弾。昨年もチーム対戦打率・135だった天敵右腕からの本塁打は、19年3月29日の加藤、中村奨以来2年ぶりだった。

 切れ味鋭いからこその「宝刀」。岸のカーブは球界きっての球種だ。昨年も被本塁打は0。今季はここまで1安打も許していなかった。初対戦で宝刀を捉えたインパクトが勝負どころでも生きた。同点の6回2死一、三塁の打席。岸の低めへの初球が捕逸となって勝ち越し。「気持ちが楽になった」と、直球に詰まりながら右前適時打を放った。プロ初のマルチ安打をマークし、貴重な追加点を挙げた20歳を井口監督は「状態が上がっている」と称えた。

 一発の後に、詠む俳句はビジターで封印。だが「春の夢 夢にまで見た 初アーチ」とした9日のプロ1号から3戦連続安打&打点だ。「いい投手からのホームランはいい経験になる」。秋田・明桜で3年間を過ごした。「東北はお世話になった場所。仙台にもよく来た。本当によかった」。仙台の夜風が心地よかった。(君島 圭介)

 ○…今季、岸は試合前までカーブの被打率が0割。9打数無安打と1安打すら許していなかった。球種の割合では54.7%の直球に次ぐ19.4%を占め、決め球でもカウントを取る球でも有効に使っていたが、山口が初めて捉えた。

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