今季初星逃した阪神・藤浪の「恩返し」 最速158キロで福留を見逃しK「勝負にいった」

[ 2021年4月3日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神3ー6中日 ( 2021年4月3日    京セラドーム大阪 )

<神・中>6回2死一塁、阪神・藤浪は福留を見逃し三振に仕留める。(撮影・北條 貴史)
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 阪神は2日、中日に3―6で逆転負けを喫しホーム開幕戦を白星で飾ることはできなかった。先発の藤浪晋太郎投手(26)はピンチの連続も6回7安打1失点と粘投。今季初勝利は消えたが、昨年までチームメートだった福留を158キロ直球で見逃し三振に斬るなど見せ場はつくった。

 最高の相手に、最高のボールを投じた。6回2死一塁。藤浪が迎えたのは、代打で登場した福留だった。昨年まで、同じタテジマに袖を通して戦ってきた先輩。2死無走者から大阪桐蔭の後輩・根尾に左前に運ばれ、対峙(たいじ)することになった。

 「孝介さんは良いバッターですし、腕を振らないと仕留められると思ったので、勝負にいったのもあります」

 初球から全力で直球を投げ込み2球で追い込んだ。それでも3、4球目はスプリットを見極められ2―2。勝負の1球もやはり直球を選択した。内角低めに百戦錬磨の43歳も手が出ない。「イニング的にも勝負どころと思ったので、腕を振りました」。この日最速の158キロを投げ込み、大きなアウトをもぎ取った。

 2回2死三塁では16年以来のボークで先制点を奪われるなど、想定外の序盤から始まったマウンドは、粘りの投球を強いられた。4回は1死満塁で木下拓を153キロ直球で空振り三振。最後は根尾を二ゴロに仕留めた。続く5回も再びベースをすべて埋められながら平田を内角高めの153キロ直球で空を切らせた。大阪桐蔭の先輩、後輩を勝負どころでねじ伏せ、追加点を与えなかった。

 「(根尾は)良いバッターだと思うので。また次回以降、対戦があると思いますし。今日対戦して自分の中で良かったこと悪かったことを反省して。(今後も)意識できれば」

 5回からはセットポジションに変更するなど、苦心しながらの99球。リリーフが崩れて今季初勝利は幻となり矢野監督も「粘り切れたというのは大きかったと思うし。だからこそ、勝たしてやりたかったけど」とこぼれ落ちた白星を悔やんだ。

 今季初のクオリティースタートを記録し、オープン戦も含めて今年最長の6回を投げて試合をつくるなど、収穫も少なくない。「何とか粘った投球だったかなと。厳しいところで粘ってこそだと思うので。(2度の満塁機でも)しっかり抑えられたことは良かった」

 笑顔でナインと勝利を分かち合う日は、近づいているはずだ。 (遠藤 礼)

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