大野豊氏 初球からいく姿勢とフルスイング貫く佐藤輝の凄さ 制球ミスできない相手バッテリーは怖い

[ 2021年4月2日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神6ー3広島 ( 2021年4月1日    マツダ )

大野豊氏
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 【大野豊 視点】阪神の佐藤輝は3連戦で計8三振。結果は広島バッテリーの完勝だったが、それでも佐藤輝も大したものだ。あれだけ「内角速球」と「低め変化球」を徹底されても、初球からいく姿勢とフルスイングは失っていなかったのはすごい。

 三振の数が気になって当てにいくようなら魅力はなくなる。6回にど真ん中にきたチェンジアップをホームランにしたが、少しでもコントロールミスをしたら放り込むのだから、相手バッテリーはやはり怖い。3連戦の初戦でも言ったが、いかにストライクゾーンに投げさせるかが課題。ボール球を見逃して打者有利のカウントに持ち込めれば結果はおのずと違ってくる。

 阪神・先発の秋山はすばらしかった。5回まで一人の走者も許さず、要した球数も53。もう1イニング、できれば完投も可能なペースだっただけに、本人は納得できていないかもしれないが、今季初登板なら十分に合格点。真っすぐはほとんどが130キロ台だが、下半身の蹴りや腰の回転などが力強いため球のキレは抜群で、制球もいい。

 広島の先発・中村祐は、秋山をお手本にしなければいけない。下半身がどうしてもゆるんでしまい、腕の振りもにぶい。両投手の球速に差はないが、ピッチングのレベルは全然違う。中村祐が勝てるピッチャーをめざすためには、この日、相手投手から感じたことを学ばなければならない。(本紙評論家)

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2021年4月2日のニュース