エンゼルス・大谷 二刀流復活へ 木材変えた新相棒「バーチ」でアーチを グラブに「不死鳥」を

[ 2021年4月2日 02:30 ]

エンゼルスの大谷(AP)
Photo By AP

 大リーグは1日(日本時間2日)、全30球団で一斉にレギュラーシーズンを開幕する。エンゼルスの大谷翔平投手(26)は、本拠地でのホワイトソックス戦(午前11時5分開始)に「2番・DH」として打者出場することが有力だ。投打二刀流の完全復活を目指す今季に向け、バットやグラブを改良。メジャー4年目のこだわりに迫った。

 今年の大谷はオープン戦で過去最高の活躍を見せた。投げては渡米後最速で、自己最速にあと1キロと迫る101.9マイル(約164キロ)を計測し、打っては打率.548、5本塁打。好調の要因は、手術歴のある右肘や左膝が完治したことだけではない。アドバイザリー契約を結ぶアシックス社のバットやグラブに改良を加えていた。

 これまでは主にアオダモ材のバットを使用していたが「はじき返すイメージに変えたい」とバーチ材のバットに変更。アオダモ材はしなりが大きく、より長くボールを押し込むことができるが、バーチ材は最も硬く反発力があるメープル材の打感に近く、しなりも兼ね備える。メジャー特有の強い速球を「はじく」感覚を高めつつも、打球をバットに乗せる感覚を残した格好だ。

 長さは33.5インチ(85.09センチ)、重さは905グラム前後で大きく変わらないが、バット全体の形状を芯部分からロゴマーク付近まで太くした。芯の範囲を広くするイメージで「より正確に(バットコントロール)できる形状にシフトしている。(打球の)飛びは満足している」という。

 その言葉通り、オープン戦ではメジャー自己最長の468フィート(約143メートル)を含む460フィート(約140メートル)超えのアーチを2本放った。今季から大リーグは低反発球を導入している中で、新たなバットを手に規格外のパワーを発揮。04年にヤンキース・松井秀喜が記録した日本選手最多31本塁打を超える期待が高まっている。

 今季のグラブは赤と黒のコントラストが映える。二刀流で歴史に残る活躍をサポートするという意味を込め、伝説の鳥「フェニックス(不死鳥)」をモチーフにした刻印が施されている。大谷も「今までにないデザインでとても気に入っています」と語る。全体的に1センチ大きくした昨季のサイズは継承しており「なるべくボールが隠れる状態で球種が分からない安心感が大事」。公式戦初登板となる4日(日本時間5日)の本拠地ホワイトソックス戦で1050日ぶりの白星を目指す。

 休養日だったこの日、大谷はインスタグラムに自身のプレー動画を添付し「Ready for Opening Day(開幕へ準備はできている)」と投稿。投打の「相棒」と、二刀流復活イヤーに臨む。(柳原 直之)

 ▽バーチ材 バーチの日本名は「カバ」。衝撃に強く、非常に硬いメープル材に近い打感が特徴だが、しなりも持ち合わせている。日本球界ではオリックス・吉田正やソフトバンク・長谷川、阪神・井上らが「イエローバーチ」を使用しているが少数派。北米産が主。

続きを表示

この記事のフォト

2021年4月2日のニュース