ドラフト候補の智弁学園・前川 “重症”な打撃不振 小坂監督「ホームランを打ちたい気持ちが強すぎて」

[ 2021年3月7日 14:20 ]

練習試合   智弁学園6―4関大北陽 ( 2021年3月7日    智弁学園グラウンド )

<練習試合 関大北陽・智弁学園>  7回 1死二、三塁 中前に2点適時打を放つ智弁学園・前川    (撮影・成瀬 徹)
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 高校通算30本塁打で、今秋ドラフト候補の前川右京外野手(2年)が関大北陽(大阪)との練習試合に「3番・左翼」で出場。巨人、阪神、中日のスカウトが見守る前で試合に臨み、3打数1安打2打点。「バッティングが全然。フォームもバラバラだし、スイングの軌道、ミートポイント、全部がズレていた」と厳しい表情だった。なお続けて出場した2試合目は2打数0安打だった。

 0-3で迎えた1試合目の7回1死二、三塁。そこまで3打席は二邪飛、四球、三飛だった前川が「変化」を求めた。

 「バットが出てこないような重い感じがあった。少し軽いバットにして、コンパクトに行こう」

 従来使用するものではなく、チームメートから軽めのバットを借り、中前に2点打。主軸として責任は果たしたが、試合を通しては「頑張っても意味はない。結果を求めていかないといけない」と満足にはほど遠かった。

 小坂将商監督(43)も「前川は重症ですね」と苦笑いだった。「打たないと、ホームランを打ちたいという気持ちが強すぎて、スイングV字になっている」と指摘。そのうえで選抜大会までにトス打撃、ロングティーなどの練習を課し、スイングの軌道を修正する方針を示した。14年選抜大会出場時、岡本和(巨人)も大会前は調子を崩していたが、1回戦・三重戦(三重)の第1打席でバックスクリーンに本塁打を放ち、評価を不動のものとした。普段から「飛ばす力は岡本より上」と評する前川への期待は大きい。

 初戦の相手は優勝候補の大阪桐蔭(大阪)。高ぶる気持ちが現段階では裏目に出ている形だ。「気持ちが上回りすぎて、自分では冷静なつもりですが、それが未熟なところ。甲子園までに仕上げていかないといけないので、1打席1打席を大事にしていきたい」。勝敗のカギを握る主砲が地に足を付けて、大舞台までの道を歩む。

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2021年3月7日のニュース