西武・おかわり君が“しくじり先生” 若手時代の失敗から118キロのドラ1渡部に減量不要説く

[ 2021年1月23日 05:30 ]

ウオーミングアップする中村。左はキャッチボールをするドラ1ルーキー渡部
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 「おかわり君」だからこそ送ることができる、「よくばり君」への助言だ。西武・中村が、減量中のドラフト1位・渡部(桐蔭横浜大)へ「動けているんだったら大丈夫」と減量は不要と説いた。

 プロ20年目を迎えた主砲は埼玉県所沢市の球団施設で自主トレ中。新人も合同自主トレに励んでおり、気になった選手に「僕みたいな体形の子」と、自身と山川に続く「おかわり3世」とも呼ばれる渡部を挙げた。打撃練習を見たことも明かし「強い打球も打っているし、いいバッターになってもらえたらいいな」とエール。「何か聞かれれば、伝えたい」と「打撃指導」にも意欲を示した。

 期待のルーキー活躍の鍵を握るのが、公称から6キロも上回っている118キロの体重だ。球団からは甘い物を封印し「バイク系(のトレーニング)で絞るように」との通達。寮の自室では、水とお気に入りのキシリトールのグレープ味のガムで空腹を紛らわせている。公称102キロの中村も、かつては減量に挑戦。若手時代に100キロを超えると、室内練習場にこもって打撃練習に明け暮れた。「凄く蒸し暑い時に死ぬほどバットを振った。めっちゃ汗をかいて、痩せた」と回想。約1カ月で92、93キロまで落としたが…。「リバウンドした。すぐ戻ったね」と苦笑いした。

 その後は100キロ以上をキープし、4年目の05年に22本塁打を放ってブレーク。巨漢を生かしながら、プロ19年で本塁打王を6度獲得。424本塁打を積み上げた大砲は「(体重で)苦労していたら、もう(野球を)やっていない」。その言葉には重みがある。

 昨年8月には右手首を打撲。14年以降で最少となる79試合の出場、9本塁打にとどまり「試合に出ないと面白くないし、給料も下がる。何もいいことがないのでレギュラーを目指して頑張ります」と中村。渡部のすぐ近くに、最高のお手本がいる。(花里 雄太)

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2021年1月23日のニュース