阪神・陽川 早くも21年“1号”!今季ノルマは20発

[ 2021年1月6日 05:30 ]

バッティング練習する陽川(撮影・平嶋 理子)                                                 
Photo By スポニチ

 阪神の陽川尚将内野手(29)が5日、和歌山県上富田町の「上富田スポーツセンター」で自主トレを行い、2021年の“1号”となる推定120メートル弾を放った。食した際には好成績を残してきたジビエ料理の「鹿肉」は、今年はコロナ禍で感染予防の観点からなし。パワーの源を失ってもゴリラパンチは健在で、キャリアハイを目指す今季へ飛躍の予感が漂う。

 静まりかえった山中に衝突音がこだました。陽川のバットから放たれた白球が、左翼の芝生席で大きくはねる。推定120メートルのゴリラパンチ“1号”に自信がみなぎった。

 「自主トレ3日目ですけど、しっかり振り込めていると思う」

 今年初となった屋外フリー打撃では、ノンストップで200球以上を打ち込んだ。左翼後方に一般駐車場があり車への直撃を考慮し、場外弾は“自粛”したが柵越えは6発。「ちょっと(体が)突っ込んだりする部分もあったので、形になるように」と、試運転段階を強調した。

 「シカ(鹿)なし」でも「シンカ(進化)」を予感させる強烈なスイングだ。6年連続となる和歌山自主トレで恒例だったのが「ジビエ料理」。中でも「鹿肉」はしゃぶしゃぶ鍋で食した18年に48打点、20年に8本塁打と、ともに自己最多を記録した「力飯」。しかし、今年は新型コロナウイルス感染予防の観点から提供なし。球場関係者も「食べた年はいいシーズンになっていたので残念ですが」と表情を曇らせていたが、この日の快音を聞けば心配も吹き飛んだはずだ。

 「(鹿肉効果は)2年前も、昨年もそうですけど…。結果を出せないのは自分の責任なんで頑張ります」

 今季の目標には出場100試合以上、打率・280、20本塁打を掲げた。「2割7、8分打って20本以上は打ちたい。試合数は意識しますし、試合に出ないと数字にもつながってこない」。昨季、打順では1、2番も打ち、内外野を守った万能性も引き続き強みにしていくつもりで「守備位置にこだわるよりは、守れるところを増やしていくのがいいと思う」とうなずいた。

 「まずは自分の持ってる力をしっかり出して。焦らず、自分のできることをしっかりやっていきたい」。今季は「シンカ(真価)」が問われるが、右翼や一塁で待つ助っ人らとの競争は望むところ。7月で30歳を迎える男の成長曲線にはまだ伸びしろがある。(遠藤 礼)

続きを表示

2021年1月6日のニュース