【阪神・矢野監督 新春インタビュー(4)】井上に「大野想像して練習すれば伸びしろ全く違う」

[ 2021年1月6日 10:00 ]

阪神の井上
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 ――井上は1年目、2軍で経験を積ませることに重きを置いていた。2年目のビジョンは。

 矢野監督 オレの中では想像でやることって難しい部分があると思っていて、まずは一回、経験をすることが大事なのかなと。経験して初めて分かることも多いからね。今年も1軍に上げたタイミングは嘉男(糸井)の膝が悪く、ナゴヤドームの人工芝は特に厳しいと。左ピッチャーの大野雄、松葉の先発が2日続く(10月14、15日)となって「2試合は先発で使えるな」と。スタメンで使えない、代打の1打席なら上げるつもりはなかった。その状況なら2軍で試合に出ている方が、成長につながると思っていたし。でも2試合使えるなら一回、上げても良いし、しかも大野だったら、左ピッチャーで一番いい。もちろん、ファームにそんなピッチャーはいないんだから、それなら一番いい左ピッチャーを経験してね。「こんなボールを投げるのか」ということを持って2軍でやるのと、大野を想像で思い浮かべて練習するのとでは伸びしろが全く違う。そこで打てば使うし、経験値としてまだ無理となれば下げればいいだけのこと。

 ――今春1軍キャンプ招集方針の意図は。
 矢野監督 同じやね。1軍というところで他の選手と一緒にやる中で「ここが自分に足りない」「大山さんはここが凄い」ということを肌で感じられる。ピッチャーともそういう対戦ができると、こちらが教えることも大切だけど、井上自身が勝手に成長していけるキャンプになってくれると思っていて。去年と同じで、良ければ残すし、まだ1軍のレベルにないとなれば、入れ替えるだけのこと。体の状態が悪いとか、そんなことがない限りは、1軍に呼んで経験を積ませたいと。ルーキーに関しても岩田将と高寺以外の投手、野手は全員(1軍に)つれて行くつもり。考え方は井上と全く一緒だし、即戦力と思って獲っているから。今いるメンバーの中で勝負できると思って獲っている。その中でどれぐらいの技量があるかを見るには、やはり呼ばないと分からないからね。

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