野村克則氏 偉大な父“ノムさん”亡くなって改めて感じた存在の大きさ…来年はお別れ会を

[ 2020年12月31日 05:30 ]

偉大な父・克也氏(左)を悼んだ野村克則氏
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 日本が、世界が新型コロナウイルスの感染拡大に翻弄(ほんろう)された2020年。スポーツ界も苦難の一年だった。球界では春季キャンプ中の2月11日、パ・リーグ初の3冠王で、監督としても通算1565勝を挙げた野村克也氏(享年84)が死去。今季楽天の1軍作戦コーチを務め、来季から育成捕手コーチとなる野村克則氏(47)が、偉大な父について語った。

 正直まだ、実感がない。親父が亡くなってもうすぐ11カ月。もう、そんなにたつのか…、という感じかな。シーズン中はいつも会うことが少なかったし、気も紛れていた。オフになって、そこにいないと思うとやっぱり、寂しいと感じ始めている。

 本当に突然だった。1月末、キャンプに行く前に会った時は元気だったから。「(楽天は)厳しい戦いになるな。頑張れよ」と送り出してくれたのが最後だった。亡くなってから、存在の大きさを改めて感じた。野球では記録とか実績とか、ひと言で言えば偉大だった。それに野球界以外にも影響が大きかった。企業に向けて講演もしていたし、積み上げてきたもの、残してきたものは凄いことだったんだと再確認した。

 12月8日はおふくろ(沙知代さん)の命日だった。17年に亡くなって3年。去年までは親父も含めて家族で一緒にお寺に行った後、ホテルで食事をしていた。おふくろと親父がいつも行っていたホテル。でも、今年は親父もいなかった。いつもの食事はなくなって、お茶だけして帰ってきた。

 今、僕たちの家族は親父たちの家で暮らしている。夢もよく見る。考えていると出てきて、何かしゃべっている。起きると忘れてしまうけど、その夢の姿を追っているのか、起きると涙が流れていることがある。見守ってくれているんだなって。何か忠告しに来てくれているんだなと思う。

 コロナでお別れの会もできていない。今の状況だと厳しいけど、皆さんからも「やってほしい」という声が大きい。来年の今頃にはと考えてはいる。その時、本当に親父が亡くなったと実感するのかな。(楽天コーチ)

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2020年12月31日のニュース