【データで振り返る2020年の阪神(3)】減らない失策 巨人との7・5ゲーム差は守備力の差

[ 2020年12月31日 10:00 ]

10月23日の巨人戦で4失策した阪神のジェフリー・マルテ内野手

 矢野監督就任の19年から懸案の守備問題は未解決。チームは3年連続リーグ最多の85失策。例年の143試合換算なら101.3失策で昨季102失策から変化がなかった。

 個人別では昨季リーグワースト1、2位の大山と木浪がそれぞれ20→6、15→8と大幅に減らした。チーム最多は今季1軍デビューの2年目小幡で9失策はリーグ5位タイ。一見状況は改善しているように見える。しかし実際は23試合少ないシーズンで昨季27人の失策選手数が30人に、5失策以上は6人から7人に増えて、どちらもリーグ最多。突出した拙守の選手がいなくなった代わりに、昨季より“浅く広く”失策していたわけだ。

 優勝した巨人は岡本の8失策を最多に17人で43失策と阪神のほぼ半分。大きく負け越したカード16敗(8勝)のうち、9月7日と11月10日の2試合は失策で相手の決勝点を許した。10月23日の敗戦は2回マルテのイニング3失策(一塁手としてセで初)を含むゲーム5失策を犯した。カードの失策は阪神20に対して巨人は8。7.5ゲーム差の2位は守備力の差でもある。

 “浅く広く”を逆手にとって、1人1失策減で一気の改善もある。矢野監督の目指す複数ポジション構想は個人別内訳を見ても、本職以外の位置での失策が目立ったわけではない。一方で複数ポジションが本職に与える影響も否定はできない。3年目の来季、集大成となるか。

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2020年12月31日のニュース