阪神“負け同然” 7点差追いつかれるドローで巨人と最大9差 10日にも自力V消滅危機

[ 2020年9月9日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神7-7DeNA ( 2020年9月8日    横浜 )

<D・神(13)> 4回を投げ終え気合の入った表情でベンチに戻るガルシア(撮影・大森 寛明)
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 阪神は8日のDeNA戦で最大7点リードを守れず延長10回の末、痛恨の引き分けに終わった。先発のオネルキ・ガルシア投手(31)が6回に突然の大乱調で崩れ救援陣も踏ん張れず一挙7失点。矢野燿大監督(51)の野手全員を使い切る采配も実らなかった。首位巨人とのゲーム差は今季最大「9」となり、10日にも自力優勝の可能性が消滅する危機を迎えた。 

 あまりにもダメージが残る夜となった。7日の巨人戦で惜敗して首位相手に痛恨の1勝2敗で終わり、敵地に乗り込んでDeNAとの2位攻防戦。移動日ゲームの疲れも感じさせることなく初回の大山のグランドスラムから3本塁打で5回までに7得点。楽勝…かと思われた一戦は、たった1イニングで全てが狂った。

 「本当にブルペンには申しわけない。ガルシアも(点の)取られ方があまりにも悪いから。悔やまれるような登板になって流れが、そういうふうになっちゃったんで」

 矢野監督は努めて淡々と話したが、表情には悔しさがにじみ出ていた。5回まで3安打無失点だったガルシアが別人と化したのは6回だった。先頭の梶谷にこの日初の四球を与えると続く大和にも四球。ソトの左翼線二塁打で1点を失うと佐野には初球のスライダーをジャストミートされ右翼席に3ランを運ばれた。さらに宮崎、倉本にも連打され、抑えられる気配はゼロ…。能見の救援を仰ぐしかなかった。1死も奪えず今季自身ワーストとなる6失点の急変に「たくさんの援護をしてもらったのに。申しわけないし、悔しい」とうなだれるしかなかった。

 想定外の反撃にブルペンも準備万端整うはずがなかった。無死一、二塁で登板した能見も戸柱を一ゴロに封じたが1死二、三塁から代打中井に右前適時打を許し代打神里には死球で満塁に。後を継いだ岩貞も、梶谷に投じた初球を坂本が捕逸し1点差とされると2死後、大和に中前適時打を浴び同点に追いつかれた。指揮官も「流れがね。後にいく投手も大変」と救援陣をかばった。

 悪夢の6回で目の前の1勝を取り損ねた。首位とのゲーム差は今季最大9となり、10日にも自力優勝の可能性が消滅する危機に。「前向いてやっていかないとあかん」と指揮官は力を振り絞り、戦う姿勢を示した。15日からは再び巨人との3連戦(東京ドーム)が待つ。希望を持って戦うためには、ここから勝ち続けるしかない。 (山本 浩之)

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