森繁和氏 鋭いスライダーでレイズ打線を戸惑わせた田中 6回88球は次のステップにつながる

[ 2020年9月2日 16:50 ]

ア・リーグ   ヤンキース5―3レイズ ( 2020年9月1日    ニューヨーク )

レイズ戦で今季6度目の先発登板したヤンキース・田中(AP)
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 ヤンキース・田中がレイズ戦に先発。6回2失点の好投で、今季6試合目にして初勝利を挙げた。スポニチ評論家の森繁和氏(65)が投球を分析した。

 打者の視界からボールは消えていただろう。左打者を7人並べたレイズ打線に対し、田中は内角膝元へのスライダーを非常に有効に使っていた。制球も良く、初回も1、2番の左打者をこの球種で空振り三振。膝元のボールゾーンにフッと沈み込む鋭い変化にバットが空を切り、相手は完全に戸惑っていた。

 それだけに5回の2ランはもったいなかった。スライダーを内角に3球続け、2ストライクからやや甘くなったところを被弾。もちろん空振りを狙いにいったのだが、もっとボールゾーンに投げるか、高めの直球を1球挟んでも良かった。この日はその真っすぐを高めの見せ球に使うケースが多かった。高低で目線をずらし、低めの変化球がより生きた。

 これで今季の投球数は51、59、66、71、66球ときて、この日が88球。頭部に打球を受け、なかなか球数が増えてこないのが心配だったが、自ら志願して6回を投げ、かつ白星が付いたことは大きい。次回は100球も視界に入るし、新たなステップにつながる試合になった。

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