コロナ感染 阪神・伊藤隼が退院「これまで以上に真摯に野球に取り組む」当面は自宅待機

[ 2020年4月6日 05:30 ]

3月21日、中日との2軍練習試合に出場した阪神・伊藤隼太
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 新型コロナウイルスに感染して入院していた阪神・伊藤隼太外野手(30)が5日、大阪府内の病院を退院した。厚生労働省が定める退院基準をクリアし、球団が発表した。当面は自宅待機となり、通院義務も課せられる。同様に入院している藤浪晋太郎投手(25)、長坂拳弥捕手(25)もPCR検査を受けていて、同日までに退院には至っていない。

 球界初の新型コロナウイルス感染者を出した阪神に、ようやく一つの前向きな動きがあった。伊藤隼の退院だ。藤浪、長坂とともに先月26日にPCR検査を受けて同日夜に陽性確認され、翌27日から入院していた。球団を通して謝罪の談話を発表した。

 「この度は応援していただいているファンの皆様をはじめ、野球界に携わる多くの方々にご迷惑をおかけし、大変申し訳ありませんでした。今後、プロ野球選手としてこれまで以上に真摯(しんし)に野球に取り組んでまいります」

 厚労省はPCR検査で陽性判定を受けて入院した際の退院基準を定めている。伊藤隼らのケースでは、症状消失後24時間以後に再検査を受け、そこで陰性であれば、さらに24時間以後に検査し、連続して陰性でなければならない。入院した3選手のうち伊藤隼が4日夜に初めて条件を満たし、5日に退院となった。

 感染源は特定されていないものの、クラスター発生を疑われるのが先月14日に大阪市内で開かれた会食だ。参加者から伊藤隼ら3選手に加え、大阪市在住の20代女性2人、神戸市在住20代女性1人の感染が判明。すでに3週間以上経過していても、谷本修球団本部長が3日に「2回連続陰性なら、ほぼ残っていないという判断が出るみたいですけど。(検査を)繰り返しています。思った以上に手ごわい」と話していたように、なかなか基準をクリアできなかった。

 ただ、退院できたとはいえ、伊藤隼は当面は経過観察で自宅待機。通院も義務づけられる。チームは活動停止中ながら松尾英孝広報部次長は「他の選手の自宅待機ではなく、病院からの自宅待機(指示)ということ」と説明した。自宅近辺で体を動かすことも許されず、調整の大幅な遅れは避けられない。

 発症日が近い藤浪、長坂も近日中に退院できる可能性が高まった。一方で、藤浪らも退院後は経過観察となり、練習再開まで時間を要することは確実。一歩前進しても猛虎の前途は厳しいが、乗り越えるしかない。(山添 晴治)

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