王貞治“運命の出会い”58年9月1日ミスターと初対面 巨人ON時代の始まり

[ 2020年4月6日 09:00 ]

1958年9月1日、遠征へ出発する巨人ナインを見送りに来た王は長嶋(左)、川上(中央)と初対面
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 【Lega-scene あの名場面が、よみがえる。~ON編~】新型コロナウイルス感染拡大でスポーツ界の再開のめどが立たない中、昭和、平成の名場面や名勝負を本紙貯蔵の秘蔵写真からお届けする新企画「Lega―scene(レガ・シーン)」。第2回は、あの2大スターが初対面した貴重なショットです――。

 真っ黒に日焼けした顔に照れ笑いを浮かべる高校生は早実3年の王貞治。このとき、まだ18歳だ。王の右手を握るのは38歳の川上哲治。大卒プロ1年目だった長嶋茂雄が2人を見守っている。

 巨人入団を決めた王が、あいさつを兼ねて広島遠征に向かうナインを東京駅のホームまで見送りに来た際の一枚だ。川上はこの年限りで現役を引退する。打撃の神様が野球の未来を2人の若きスターに託しているようにも見える。

 王は1年夏から4季連続で甲子園に出場し、2年時の57年春にはエース左腕として初めて関東に紫紺の優勝旗を持ち帰った。一方で3年春のセンバツで2試合連続本塁打を放つなど、打者としての評価も高かった。

 この写真が撮影されたのは58年9月1日。巨人入団は決まったが、プロでは投手でいくか野手でいくか未定だった。翌2日付の本紙には「来年の開幕投手を」と、投手としての王にかけた川上の激励の言葉が掲載された。 (敬称略)

 当時の紙面ではスリーショット写真とともに早実・王の投打の写真も掲載。プロ入り後、どちらに専念するかに世間の注目が集まっており、38年秋に巨人でプロ野球初の3冠王にも輝いた中島治康氏の「とにかく打撃人として生まれてきたような人だ。(中略)やがては川上の後継として重きをなす人だと思う」という未来を予言するようなコメントも掲載している。紙面左では西鉄・稲尾を取り上げ、東京の宿舎でスマートボールに興じる写真を掲載している。

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