森繁和氏 OP戦終了も開幕日は不透明…投手に求められる柔軟な対応力

[ 2020年3月16日 08:30 ]

森繁和氏
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 新型コロナウイルスの感染拡大により、プロ野球はシーズン開幕が4月10日以降に延期された。15日でオープン戦が終了したが、開幕日は不透明。今後の各チームの課題などを、17、18年に中日で監督を務めたスポニチ本紙評論家・森繁和氏(65)に聞いた。

 無観客ながらオープン戦の全日程が終了。しかし、シーズンがいつ開幕できるかは依然として不透明だ。東日本大震災の影響で開幕延期となった11年、私は中日のヘッドコーチだった。3月25日の開幕が4月12日になったが、楽天球団はもちろん、東北地方など被害の大きさは誰の目にも明らか。「こんな時にプレーをしていいのか?」との思いがあった。今回はコロナウイルスという目に見えない相手が、開幕日を覆い隠している。

 野手は比較的、調整はしやすいと思う。問題は投手。延期された開幕日が変わらず金曜日か、火曜日になるかで調整方法はガラリと変わる。土日が平日になり、さらにドーム球場が屋外、デーゲームがナイターに。さまざまな環境の変化への対応が求められる。まずは開幕投手は、20日に行われるであろう練習試合に登板すべき。あとは日程とにらめっこをして、フレキシブルに対応するしかない。

 誰も経験していない事態。選手も不安だ。現場としては、とにかく「早く開幕日をはっきりしてほしい」との思いだろう。仮に4月10日なら、1週間ではなく10日前には知らせてほしい。そこから逆算するためだ。経験のあるベテラン選手はともかく、新人や若手、1、2軍の当落線上にいる選手は、いかに張り詰めた気持ちをキープするか。球団のチームドクターは整形外科が専門。内科や、メンタル面をケアできる医療関係者を新たに呼ぶのも手だ。

 開幕したとしても、延期分の試合は後半に組み込まれる。今季は五輪の中断期間もある。シーズン終盤の戦いは過酷になるだろう。選手層の違いが如実に出る形になると思う。

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2020年3月16日のニュース