阪神・高山が単独トレ「負ける気はない」3カ条で5年目の飛躍誓う

[ 2020年1月12日 05:30 ]

キャッチボールで汗を流す阪神・高山(撮影・郡司 修)
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 阪神・高山俊外野手(26)が11日に東京近郊で単独自主トレに励み、5年目の飛躍へ(1)スピード(2)脱力打法(3)言葉の力の3カ条を掲げた。1年目に新人王に輝いて以降、常にレギュラー定着を期待される存在。「負ける気はない」と激戦必至の外野争いへ並々ならぬ闘志を燃やした。

 キャンプインを約3週間後に控え、高山は東京都内で1人でバットを振り込んでいた。「よしっ!」「あーっ!」。ロングティーをする姿には鬼気迫るものがある。日が陰りはじめた頃に練習を終えると、強い思いを言葉にした。

 「負ける気はない。2月1日から(試合に)使わざるを得ないぐらいの姿と、使わざるを得ないぐらいの結果を出していきたい」
 船橋中央シニア時代にコンディショニングコーチだった酒井祐樹氏(35)とのマンツーマン自主トレは今年で2回目。「去年より早い」という仕上げの過程で意識しているテーマを明かした。

 <1>スピード

 「パワーよりはスピード、瞬発力。守備にも走塁にも生きることですし、キレが出てくれば、バッティングも良くなると思う」
 筋肥大などのパワー系より瞬発系に重点を置くことで走守はもちろん、「アジャストした結果が長打になるイメージ」という理想の打撃の再現性を高めようとしている。

 <2>脱力打法

 「100%の力を出すために120%の意識でいっていたところを、80、90%くらいの意識で100%の力を出せるように」
 必要以上の力が入って失投を仕留めきれない…という昨年出た課題と向き合い、効率のいい力の入れ方、伝え方を追求している。
 <3>言葉の力

 「そういうことを言えば言うほど、“自分がやらないと”と思います。自分にプレッシャーをかけてやるぐらいじゃないと」
 “野心”を隠さなくなったことには明確な意図があった。あえて口にすることで自らを鼓舞してきたのだ。

 昨季は本領の兆しを見せた一方、まだ壁があるのは百も承知。一つが1学年下の近本の台頭だ。「凄いなと思うこともあったけど、それ以上に悔しかった。ただ、悔しい、悔しいと言っていても仕方ない。結局は、打席に立った時に結果を出せるかどうか」。初めて明かした当時の心境。唇をかんだ時間はあっても、やるべきことに目を向けてきた。

 そろそろ「若手」のカテゴリーから外れる大卒5年目。「結果を出して、そう(世代交代)なった時に僕がいればいい」。酸いも甘いも経験した男の言葉には重みがあり、強い熱が込められていた。(巻木 周平)

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2020年1月12日のニュース