阪神・原口 特別賞に感謝「来季以降はタイトルを取って、ここに立つ!」

[ 2019年11月27日 05:30 ]

連盟特別表彰を受賞しスピーチする阪神・原口(撮影・木村 揚輔)
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 阪神・原口は感慨深げだった。プロ野球の年間表彰式「NPB AWARDS 2019 supported by リポビタンD」が26日に都内で開かれ、輝かしい成績を手にした選手が顔をそろえた式典で授与された「リーグ特別賞」を受賞。サポートしてくれた人への感謝、そして、来季への揺るがぬ決意を壇上で語った。

 「この賞をいただくにあたり、球団関係者、病院関係者、治療科の先生方、家族。数多くの方々に支えていただき、ここに立っています。来季以降タイトルを取って、ここに立てるように頑張ります。本日はありがとうございました!」

 24日に「ステージ3b」だったことを明かした大腸がんから復帰し、6月4日に1軍昇格するとファンの記憶に残る一打を量産した。43試合で打率・276、1本塁打、11打点。残した数字以上に、不屈の精神とひたむきな姿勢がプロ野球ファンの心を打った。阪神の「特別賞」受賞は10年に連続フルイニング出場のプロ野球記録を達成した金本、シーズン最多安打記録のマートンが受賞して以来(当時は連盟特別賞)。それらの偉業に匹敵する1年だった。

 「6月に復帰して43試合。物足りなく感じていますし、ゲームに出て結果を残して、チームに貢献したいという気持ちが一番強い」

 「成績」を出すことで、この舞台に戻ってきてみせる。本職の捕手には梅野が君臨。一塁もマルテだけでなく、助っ人外国人を含めた同タイプの打者が並ぶ激戦区だ。ともに険しい道のりに違いはないが、だからこそ、挑戦する価値がある。

 「自分は“ここを守りたい!”と言える立場ではないので、与えられたところで結果を残すことが大事」と柔軟に取り組む構え。ライバルよりも敵は自分自身にあり、続けて「それ(タイトル)を目標にするのは当たり前。そういうところまでいけたら良いシーズンになると思う」と鋭い視線を向けた。実際に経験した者にしか分からない苦境から這い上がった男は、高みしか見ていない。(巻木 周平)

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2019年11月27日のニュース