中日 星稜・奥川を1位指名&女房の山瀬リストアップ!今夏準Vバッテリー狙う!

[ 2019年10月15日 05:30 ]

星稜・奥川(左)と山瀬バッテリー
Photo By 共同

 中日が17日に行われるドラフト会議で星稜の奥川恭伸投手(3年)を1位で指名する方針を固めたことが14日、分かった。さらに、奥川の女房役である山瀬慎之助捕手(3年)もリストアップ。大船渡・佐々木朗希投手(3年)とともに最大の目玉である奥川は複数球団の競合となるが、今夏に準優勝して甲子園を沸かせた星稜バッテリー獲りを狙う。

 3年連続の5位に終わった中日が、次世代のエース候補として選んだのは奥川だった。4日のスカウト会議で米村明チーフスカウトが「完成しているが、伸びしろを感じる」と話していたように、即戦力の評価とともに将来性も併せ持つことが決め手になった。

 最速154キロの直球に加え、スライダーなどの変化球や制球力も抜群。今夏の準優勝を含め甲子園に4度出場。智弁和歌山との3回戦では延長14回を投げ23三振を奪った。U18W杯でもカナダとのスーパーラウンドで7回1失点、18三振を奪った。即戦力という観点では最速163キロを誇る佐々木を上回り、高卒でも1年目から先発ローテーション入りできる逸材。中日は今年1月から北陸地区担当となった星稜OBの音重鎮スカウトが密着マークを続けてきた。

 奥川はプロ志望表明時に「総合力の高い投手になりたい」と目標を掲げた。目指すは顔も似ている田中(ヤンキース)のような投手。その田中が楽天で高卒1年目から11勝を挙げたような活躍が期待され、4、5球団の1位競合が予想される。

 さらに中日は小学4年から奥川とバッテリーを組んできた捕手の山瀬もリストアップした。二塁送球タイムが1・8秒台というプロでもトップレベルの強肩。奥川とともにU18高校日本代表に選出された。奥川を競合の末に獲得し、山瀬も指名できれば準優勝バッテリーがプロの舞台でも見られることになる。

 2人は石川県出身。北陸地区は親会社・中日新聞の販売地域であり「準地元」の選手を獲得できれば岐阜出身の昨年ドラフト1位・根尾とともに地域密着をアピールできる。奥川を抽選で外した場合は今春センバツで「4番・投手」として東邦を優勝に導いた地元・愛知出身の石川を外れ1位で指名する可能性が高い。高校通算55本塁打を誇るU18高校日本代表の4番。中日のドラフト戦略は見えた。

 《86年近藤&長谷部以来》同一チームの投手&捕手が同一年のドラフトで同一球団に指名されたのは、最近では05年に日本ハムが大学・社会人ドラフトでシダックスの武田勝投手を4巡目、小山桂司捕手を5巡目で指名。同年に楽天が東北福祉大の松崎伸吾投手を1巡目、井野卓捕手を7巡目で指名した。98年には近鉄が近大の宇高伸次投手と藤井彰人捕手を1、2位で連続指名している。高校生では86年に中日が享栄の近藤真一投手を1位、長谷部裕捕手を5位で指名した例がある。

 ◆奥川 恭伸(おくがわ・やすのぶ)2001年(平13)4月16日生まれ、石川県出身の18歳。小3から野球を始め、宇ノ気中では軟式野球部に所属し、3年夏に全国優勝。星稜では1年春の北信越大会からベンチ入りし、2年夏から背番号1を背負う。甲子園通算12試合で7勝3敗、防御率1.55。2、3年時に侍ジャパンU―18代表入り。1メートル83、82キロ。右投げ右打ち。

 ◆山瀬 慎之助(やませ・しんのすけ)2001年(平13)5月4日生まれ、石川県出身の18歳。軟式野球の「宇ノ気ブルーサンダー」で小学2年から野球を始める。4年時から捕手で奥川とバッテリー。ともに進学した宇ノ気中で、全国中学軟式野球大会を制覇。星稜では1年秋からベンチ入り。1メートル77、85キロ。右投げ右打ち。

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