巨人ゲレーロ、涙の逆転V弾「感動的な一打」 23打席ぶり安打が20号2ラン

[ 2019年9月16日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人6―5阪神 ( 2019年9月15日    東京D )

8回2死一塁、ゲレーロは逆転2ランを放つ(撮影・森沢裕)
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 走りながら涙をこらえ切れない。本塁手前で巨人・ゲレーロが目頭を押さえる。手渡されるはずのジャビット人形もスルーした。

 「感動的な一打だった。(本塁打で泣いたのは)人生で初めて」。屈辱にまみれて迎えた4―5の8回2死一塁。ジョンソンの151キロ直球を左中間最上段に運んだ。実に23打席ぶり安打が逆転の20号2ラン。原監督が「チームにとっても彼にとっても起死回生」と言う決勝弾だった。

 不振に苦しんでいた。7日ヤクルト戦の19号ソロを最後に音なし。6回は目の前で阿部が死球を受け満塁も、中途半端なハーフスイングで空振り三振を喫していた。前日は満塁を含む再三の得点機で凡退して名前こそ挙げられなかったが指揮官から「勝負弱い人」と示唆され、「自分が打てなかったせいで負けた」と悔いた。

 17年に中日で35発を打ち本塁打王を獲得。移籍前に「東京ドームだったら目をつぶっていても50本打てる」と関係者に豪語したというが、昨季は15発に終わった。2年間で何度も2軍落ちを経験し、灼熱(しゃくねつ)のジャイアンツ球場でバットを振った。キューバ出身。意外にも湿度の高い日本の夏には弱く「日本の方が暑い」と、夏ばて気味だったこともある。それでも最近は連日若手に交じって早出特打を敢行していた。

 この日の勝利でまずはCS出場を決め、マジックは5。10日の再点灯時に「まだまだ」と言った原監督は「“またまた”くらいになったかな。濁点は取れた」と独特の表現をした。5年ぶりリーグ制覇は最短19日。ゲレーロは「早いに越したことはない」と力強く言った。 (神田 佑)

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