【愛知】誉がジャイキリ初V!全国最多188チームの頂点

[ 2019年7月30日 05:30 ]

第101回全国高校野球選手権 愛知大会決勝   誉8―1桜丘 ( 2019年7月29日    岡崎市民 )

<誉・桜丘>初めて激戦区愛知の頂点に立ちマウンド上で歓喜する誉ナイン(撮影・椎名 航)
Photo By スポニチ

 第101回全国高校野球選手権(8月6日から16日間、甲子園)は29日、13大会15試合が行われ、新たに11校の甲子園出場が決まった。愛知大会決勝では誉(ほまれ)が桜丘を8―1で下し初出場。愛工大名電、中京大中京と甲子園常連校の強豪を次々と撃破し、全国最多188チームの頂点に立った。30日は徳島、愛媛大会の決勝が行われ、全49代表が決定する。

 マウンド付近にナインが駆け寄り、喜びを爆発。尾関学園から09年に校名変更後、10年で誉(愛知)が頂点に上り詰めた。小牧市のチームでは初出場の快挙だ。

 「相手が強いと僕たちも燃えた。(自信がついて)負ける気がしなかった」。林山主将は胸を張った。どちらが勝っても初の甲子園。ノーシードから数々の強豪をなぎ倒した経験が勝った。

 初回に林山が左越えの適時二塁打を放って先制。中盤、終盤にも加点した。守っては過去5戦で36得点の桜丘打線を先発のエース杉本が6回を1失点に抑え、山口が3回を無失点。両左腕の必勝継投がはまり、杉本は「最後まで投げたかったけど、山口に託してよかった」とほほ笑んだ。

 今春センバツ覇者の東邦、愛工大名電、中京大中京、享栄の「私学4強」がひしめく愛知。誉は4回戦で愛工大名電、準決勝では中京大中京を下し、準々決勝では東邦を破った星城を倒した。05年の就任時、部員6人から出発した矢幡真也監督は「昨春の県大会で優勝したメンバーが4人残っているし、力を付ければ甲子園に行けると言ってきた。勝ち上がっていくごとに力を付けた」と話した。昨春の愛知大会は準決勝で享栄、決勝では東邦に勝利。林山のほか沢野、吉田、内田が2年からスタメンに名を連ねていた。

 加えて、左肘を剥離骨折していた杉本、腰椎のケガで離脱していた二塁手・手塚が5月に復帰。「チームのテンションが上がってきた」(矢幡監督)という。ノーシードから8勝しての優勝は03年の愛工大名電以来、16年ぶり。指揮官は「8試合も間近で見られて幸せ。本当にたくましくなりました」と感慨深げ。そして、こう付け加えた。

 「大会を通じて選手に言ってきたが、このチームはまだ完成していない。甲子園で1勝してようやく完成する」。チームが完成したとき、「番狂わせ」とは言われなくなる。

 ≪漢字1文字校は私立初≫漢字1文字校の夏の甲子園出場は16年境以来3年ぶり5校目。春夏合わせると10校目(市立の柏、呉、戦前の堺中も含む)となった。最多出場は境の10度、過去9校は全て公立校で私立校の出場は初めてだ。白星はセンバツでは境、呉の3校がマークしているが、夏は90年境の1勝だけ。誉は29年ぶり2校目の夏漢字1文字校勝利に挑む。

 ▽誉 愛知県小牧市にある私立校で、1983年に尾関学園として開校。2009年に現校名となった。留学など国際交流や、ボランティア活動も盛ん。野球部は05年に矢幡監督が就任。13年5月には専用球場と室内練習場が完成した。18年の春季愛知大会で初優勝。昨夏は西愛知大会4回戦敗退。主なOBに伊藤大智郎(元ソフトバンク育成)、松沢裕介(元巨人育成)、サッカー選手では森谷佳祐(元湘南)がいる。

続きを表示

2019年7月30日のニュース