オリックスの将来を担う「今岡2世」中川、新人離れした活躍のワケ

[ 2019年7月15日 08:15 ]

<フレッシュオールスター全イ・全ウ>初回2死、中川は中前打を放つ(撮影・三島 英忠)
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 プロ野球は15日から後半戦が始まる。つかの間の休息を終えた選手も表情が変わり、いよいよ戦闘モード。交流戦で11勝6敗と巻き返したオリックスは、クライマックス・シリーズ出場も視界に入り、チームの雰囲気も良い。そんな中、一際、目に力がこもっている男が新人の中川圭太だ。ある人との再会が、闘志をかき立てたようだ。

 「おい、打ってるやんか!」

 11日のフレッシュ球宴に出場し、ウエスタン・リーグ選抜の4番を任された中川が再会したのは、あこがれの大先輩でもあるロッテの今岡真訪2軍監督だった。前半戦は61試合に出場し、打率・304。『3番吉田正、4番中川』なんて並びもあった。新人ながらチームに不可欠な存在になったことを、今岡2軍監督は知っていたのだ。「ここからが大変だからな。頑張れよ、と言って頂きました。プロに入ってから、お会いするのは初めてなので、声を掛けて頂いただけでも、うれしかったです」と中川も再会を喜んでいた。

 PL学園、東洋大を経たことが今岡と同じで、右の好打者という共通点もあり、中川はいつしか「今岡2世」と名付けられた。「雲の上の存在」と本人は恐縮するが、東洋大時代にロッテ2軍とのプロアマ交流戦があり、当時の高橋昭雄監督が「こいつは良いものを持っている」と、今岡本人に紹介したことがあるという。高橋監督はメディアの前で度々「今岡2世」と使っていたので、報道を見聞きした今岡2軍監督も存在は知っていたようだ。今回はそれ以来の再会だった。

 祖母が阪神ファンでもあり、中川も甲子園に通った野球少年。当時、その打棒で、阪神を2度のリーグ優勝に導いた1人が天才打者の今岡誠だった。「すごいですよね。あんなに打点を挙げるって」。2005年、今岡は147打点を挙げる大活躍。これは日本プロ野球でも歴代3位の記録だ。中川少年にも、その記憶が鮮明に残っているという。その2年前には、打率・340で首位打者も獲得。「僕は本塁打を狙う打者ではないので、打率とか打点でチームに貢献したい。その意味では今岡さんはあこがれです。でも、正直、目標にしていいのか、というほどレベルは違い過ぎますが」。謙そんしながら、そんな思いを明かしてくれた。

 確かに、目指す数字としてはかなり高いが、目標として持つのは良いことだと思う。中川も前半戦は見事な働きだった。特に目についたのが、不調の時期が短く、連続無安打で終わることが少ない点だ。東洋大時代には、夏場の酷暑の中でも、3時間連続ティー打撃などを“通常練習”としてこなした。「今岡2世」と名付けた高橋監督が付きっ切りで指導したり、時には48日間無休というハードスケジュールもあったという。野球をもっとうまくなりたいと思った原点―。「高橋監督から色々なティー打撃を教わり、プロに入った今でも調子を整える引き出しになっています」。だからこそ、交流戦で史上初めて新人で首位打者に輝いたり、13試合連続安打や6試合連続複数(マルチ)安打など、新人とは思えない数字が残っているのかもしれない。

 実は最初の壁も密かに越えている。今岡が入団1年目の97年に記録したのが63安打。中川は、前半戦の最終戦となった10日の楽天戦で3安打を放ち、65安打とした。今後、大先輩を追って一つ一つ壁をクリアし続ければ、オリックスの黄金期も必ずやってくるだろう。ついつい想像してしまうが、その前に、今年の後半戦だ。個人的には「推しメン」として期待している。 (オリックス担当・鶴崎 唯史)

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