巨人・菅野が復活 今季初完封!プロ最短KOから汚名返上8勝「自分なりに野球と向き合った」

[ 2019年7月3日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人6ー0中日 ( 2019年7月2日    東京D )

お立ち台でガッツポーズする菅野(撮影・久冨木 修) 
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 ミスター完封復活だ。巨人の菅野智之投手(29)が2日の中日戦で今季初完封し、リーグトップタイの8勝目を挙げた。前回6月23日のソフトバンク戦でプロ入り後最短の1回0/3KO。エースは無四球でチームに今季初完封をもたらし、屈辱を晴らした。現役では単独3位の通算17度目の完封劇。チームは3連勝で今季最多の貯金を11に伸ばし、2位・広島に4ゲーム差として独走態勢に入った。

 8回を投げ終え、菅野はベンチで宮本投手総合コーチと話した。救援陣に託す選択肢も提示されたが、エースの返答は「行きます」だ。9回2死一塁。代打・堂上の右翼への大飛球を陽岱鋼(ヨウダイカン)がフェンスに激突してつかむと、菅野は右翼に向かって右拳を突き上げた。

 「ゼロに抑えられて満足している。いい意味で達成感という忘れかけていたものを味わえた」。今季12度目の先発。昨季8度も成し遂げた「ミスター完封」はもがき苦しみ、今季初めて手にした。

 前回はプロ入り最大の屈辱を味わった。6月23日のソフトバンク戦で初回に先頭打者弾を浴び、2四球も絡んで自己最短の1回0/3を4失点でKOされた。交流戦優勝を懸け、原監督が「甲子園の決勝」と例えた試合。敗れた後、指揮官から「リズムもへったくれもあったもんじゃない」と厳しく指摘された。

 雪辱のマウンド。中8日と間隔も空けてもらい「時間をくれたので自分なりに野球と向き合ってきた」と振り返る。ここ数試合、精度の悪かった直球を見つめ直した。ジャイアンツ球場で2度もブルペン入りし、直球を中心に投げ込んだ。その成果が表れた。初回先頭・平田を149キロ直球で空振り三振。この日最速の150キロも計測し、3人で片付けた。「今年は立ち上がりでばたつくことが多いし、特に気をつけた」。今季は初回に計16失点でリーグワースト。最初の関門を突破し、勢いに乗った。

 よみがえった直球がバッテリーとしての反省も生かすことになった。前回は軸になる球がなく、いかに早く軸になる球を見つけられるかがテーマだった。この日はブルペンから直球が力強く、初回を終えて確信した捕手の炭谷から「真っすぐで押すから」と言われた。6三振のうち、直球で4三振を奪った。無四球と制球力も取り戻し、「少しずつステップは踏めている」と手応えを口にした。

 原監督は「一歩を踏み出したというところ。次が重要」と言った。次回登板は中5日で8日の阪神戦。「いい弾みにできるように巻き返せるように頑張ります」。菅野も次が重要だということを分かっている。(岡村 幸治)

 ≪岡島以来の雪辱快投≫菅野(巨)が今季初の完封勝利。菅野の完封は昨年10月4日広島戦以来通算17度目。現役では並んでいた岸(楽)を抜いて、金子(日)21度、松坂(中)18度に次ぐ単独3位となった。菅野は前回23日のソフトバンク戦で1回0/3で降板。巨人の投手で先発2回未満で降板した次の試合で完封勝利を挙げたのは97年岡島秀樹以来22年ぶり。菅野が敗戦投手の次の登板で完封したのは昨年9月15日DeNA戦●→22日ヤクルト戦完封以来4度目だ。

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