オリックス・斉藤綱記 プロでの確かな一歩…入団5年目、初の開幕1軍で着々

[ 2019年4月22日 19:25 ]

オリックスの斉藤綱記
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 入団5年目。初めて開幕を1軍で迎え、オリックス・斉藤綱記投手にとっても様々なことがあった。3月30日の日本ハム戦では、自身初ホールドを記録。それは中継ぎ投手として、プロでの確かな一歩を刻んだ瞬間でもあった。

 場面は2―2の7回、1死一塁で中島を迎えた場面で、4番手としてマウンドに呼ばれた。中島に四球を選ばれ、西川には二塁内野安打。2死満塁のピンチを背負うが、最後は近藤を内角スライダーで空振り三振。左打者にとって、左サイドスローが投げる球は、背中から来るような感覚だろう。特に斉藤は右足を一塁方向へクロスステップするかのように置いてセットに入り、打者を惑わす。近藤は不意に内角に来たスライダーを、窮屈そうに振らされた。多少の制球ミスはあったかもしれないが、「ストライクゾーンで勝負する」と言う通り、確かな成果が見えた三振だった。

 さらに4月2日のソフトバンク戦でも7回に登板。味方の失策などで無死一、二塁となった苦しい場面で、柳田を低めのスライダーで空振り三振。近藤、柳田といったパ・リーグを代表する左打者を抑えての開幕は、さぞ気持ち良いだろうと思った。ところが本人の感想は意外にも逆だった。

 「2日のことは忘れます。今は一喜一憂しないようにしている。打たれていなくて変わらず。抑えた次こそ、大事にしています」

 昨年は2軍戦で好投した次の試合で、腕が振れなかったことがあったという。長丁場のシーズン、それでは戦えない。良くも悪くも切り替えて次の日に臨む。「重要な場面で使ってもらえることは純粋にうれしいです。でも、そういう選手を抑えないと、僕は1軍にはいられない」と、クスリとも笑わなかった。

 斉藤は北照高校からドラフト5位で15年に入団。当初は、上手投げから140キロ台後半の直球を投げ込む期待の左腕だった。しかし結果が出ず、17年オフに「この世界で生き残るために」とサイドスロー転向を決断。昨季、1年間で投球フォームを固め、1軍で勝負できる土台をつくった。今季、2月のキャンプは2軍スタートながらも、オープン戦で好投し、そのまま開幕1軍キップを奪取。今は本当に大事なときだ。

 試練もすぐに訪れた。4月4日のソフトバンク戦。2死二塁で迎えた柳田に痛打された。初球のスライダーを空振り、2球目を見逃され、カウント1―1。3球目に直球を投げ込んだが、外角球をはじかれ、左翼フェンス上部に直撃する、あわや本塁打という適時二塁打となった。「あそこはインコースにいかないとダメだった。悔しい。もっと強気にいかないと」。直球で内角を意識付けしてこそ、武器のスライダーが生きる。その目は、誰もが分かるほど怒っていた。普段は冗談好きで、明るい性格の22歳。しかし、そのときばかりは勝負師の目だった。

 今季、斉藤はどこまで成長するだろうか。近藤、柳田以外にも、パ・リーグには屈指の左打者がそろっている。その対戦や悔しさが、いずれ血となり肉となる。やられたらやり返す。それもプロの世界では鉄則だ。

(当コラムはスポニチホームページで不定期連載中)

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