「風化させない」…楽天ナインが背負う「東北の象徴」であり続ける使命

[ 2019年3月19日 08:00 ]

東北地方へ向かって黙とうする(左から)嶋、平石監督、銀次ら楽天ナイン(撮影・三島 英忠)
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 2011年3月11日、午後2時46分。当時、福島支局に勤務していた記者にとって、8年前の未曾有の災害は決して忘れることのできない記憶だ。楽天担当になって初めて迎えた「3・11」。楽天にとって「特別な日」であり、取材を通じて数多くのチーム関係者の熱い思いに触れた。

 今季から主将を務め銀次は岩手県出身だ。「もう8年も経ったのかなと…。東北の球団として、まだまだ出来ることはたくさんあると思う。3月11日だけではなく、全員が心のどこかで忘れることなく野球をやっていかなければいけない」。震災への思いを語り始めると、口ぶりはどんどん熱を帯びていった。

 それには理由がある。月日が流れ、当時も現役でプレーしていた選手は数少なくなっている。今季から主将に就任し、チームリーダーとして「これから入団してくる選手に、しっかり伝えていかなければいけない」と言葉に力を込めた。

 楽天一筋の平石監督も当時は現役の選手で「震災が起きてから今まで、何一つ気持ちは変わっていない。風化させていけないし、仙台に拠点を置く球団として、野球を通じて何かを感じてもらえるようなプレーをしなければいけない」と話す。

 将来の4番候補として期待される内田は福島県のいわき市出身で、震災発生時は中学3年生だった。中学校の卒業式が終わり、クラスメートたちと公園で集まっているタイミングで震災が発生した。「今はこうやって東北の球団でプレーさせてもらっている。まだまだ苦労されている方も多い。風化させないためにも、地元出身として何が出来るのか。まずはしっかり期待に応えて、チームのリーグ優勝と日本一に貢献したい」。13年の歓喜を経験していないだけに、地元に笑顔を届けたいという思いは強い。

 今もユニホームの袖には「がんばろう東北」のワッペンがつけられている。多くの選手が「どんな時でも下を向かずにプレーすることが大事」と口をそろえる。開幕まであと10日。楽天ナインは立場や世代を超えて「東北の象徴」であり続けるという使命を背負いながら、最下位からの巻き返しを狙うシーズンに挑む。
(記者コラム・重光晋太郎)

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