東海理化・立野、愛知魂で13K イチ中学後輩2失点完投

[ 2019年3月13日 05:30 ]

全国社会人野球東京スポニチ大会第2日   東海理化4―2パナソニック ( 2019年3月12日    横浜 )

力投する東海理化・立野(撮影・西海健太郎)
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 12日に予選リーグ8試合が行われた。今秋ドラフト候補の東海理化・立野和明投手(20)はパナソニックを2失点に抑えて完投勝利。13三振を奪う力投を見せ、プロのスカウト陣をうならせた。三菱日立パワーシステムズは東京ガスを4―3で下して2連勝。阪神・江越の弟・海地(かいち)外野手(24)が公式戦1号を放った。また、日本新薬は4強一番乗りを果たした。

 「愛知愛」にあふれる立野が、次々と打者をきりきり舞いさせた。2回1死、5番・坂田をこの日最速タイの148キロ直球で空振りさせ、初三振を奪ったのが合図だった。5回は1四球を挟んで3三振。7回に1点を失ったが、8回はギアを入れ直して再び3三振を加えた。しめて13奪三振の2失点完投だ。

 「三振を狙って取れるようになってきた。落ちる球の方が空振りを取りやすい」。スプリットを真ん中から落とすイメージを持ち始めてから腕が振れ、精度が上がったという。昨オフから左足を上げてから一呼吸置き、リリースするフォームにも取り組んできた。

 「同郷(愛知)の千賀さんを参考に、右足をためて(球に)重さを加えたかった。リリース前で1回押し込めるんです」

 愛知・中部大第一から入社3年目。最速152キロを誇る右腕はドラフト解禁年を迎え「モチベーションとは別に力みも出てくるけど、そういう環境に慣れていきたい」。スタンドには日米12球団のスカウトが集結。地元の逸材とあり、高校時代からマークする中日・中田宗男アマスカウトアドバイザーは「変化球がいいから緩急をつけられる。将来性十分」と二重丸をつけた。

 イチロー(マリナーズ)と同じ愛知・豊山中出身で、志水小5、6年時にはイチローが大会長を務める「イチロー杯争奪学童軟式野球大会」にも出場。「あそこまでは無理でしょうけどイチローさんのように有名になりたい」。同郷のレジェンドに憧れ、WBC代表右腕を手本にする20歳が大きな夢に突き進む。 (伊藤 幸男)

 ◆立野 和明(たての・かずあき)1998年(平10)4月3日生まれ、愛知県豊山町出身の20歳。小学1年から野球を始め、豊山中から中部大第一に進学。2年秋からエースとして最高戦績は2年秋、3年春の県ベスト8。甲子園出場はなし。1メートル81、78キロ。右投げ右打ち。

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2019年3月13日のニュース