石巻出身 被災地へ届け 東芝 岡野 完封一番乗り 東京スポニチ大会開幕

[ 2019年3月12日 05:30 ]

第74回東京スポニチ大会Cブロック   東芝2―0JFE西日本 ( 2019年3月11日    横浜 )

完封一番乗りの東芝・岡野(撮影・西海健太郎)
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 11日に開幕し、岩槻川通で予定された2試合が悪天候のため14日に延期され、予選リーグ6試合が行われた。東芝のエース右腕・岡野祐一郎投手(24)がJFE西日本の左腕・河野竜生投手(20)とのドラフト候補対決を制し完封一番乗り。初出場のトヨタ自動車東日本はエンゼルス・大谷翔平の兄、龍太(30)がソロを放つもNTT東日本にコールド負けを喫した。

 9回2死一、二塁。岡野は渾身(こんしん)の力でフォークを投じた。昨季社会人ベストナインに選ばれた三木のバットが空を切る。今大会完封一番乗りに胸を張った。

 「チームを背負って最後まで投げるつもりでしたから。嫌な流れはあったけどギアチェンジできた」。6回1死一、二塁は代打・橋本を142キロで見逃し三振。最終回の三木の3球目、通算135球目には146キロを計測。最後までスタミナ十分だった。

 被災した宮城県石巻市出身。昨年の3月11日の東京ガス戦も先発して7回2/3を無失点に抑えており、2年連続勝利投手となった。「この日に投げられたことは意味がある。だから絶対勝ちたかった」。実家は津波で浸水し、リフォームを余儀なくされた。「両親がスタンドに来ているんです。良かった」と話した。

 入社3年目。昨秋のドラフトは指名漏れしたが、プロを諦めた訳ではない。「自分の目標はプロ。今後も結果を出していきたい」。11球団スカウト陣が見守る中で、今秋のドラフト候補の左腕、河野に投げ勝った。刺激材料もある。青学大の1学年上だったオリックスの吉田正が侍ジャパンの強化試合、メキシコ戦で大活躍した。「正尚さん、凄い」と目を丸くした。

 「岡野には最後まで投げろと言いましたから。あと4つか」。11度目の優勝へ、平馬淳監督はエースにアイコンタクトを送った。 (伊藤 幸男)

 ◆岡野 祐一郎(おかの・ゆういちろう)1994年(平6)4月16日生まれ、宮城県出身の24歳。小3から野球を始め、聖光学院では3年春夏甲子園出場。青学大3年から2部に降格し、4年春には1部2部入れ替え戦登板も鍬原(現巨人)擁する中大に敗れた。東芝では入社2年目からエース。1メートル80、85キロ、右投げ右打ち。

 ▼JFE西日本河野(プロ注目左腕。11球団スカウト陣の前でMAX147キロも6回2失点)今日は勝負どころで甘く入った。

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2019年3月12日のニュース