井口ロッテ データ改革に2億円投資 来季「チーム戦略部」新設

[ 2018年12月27日 05:45 ]

ロッテの井口監督
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 ロッテの山室晋也球団社長(58)は球団仕事納めの26日、来季のチーム強化へアストロズの「フライボール革命」をモデルにした「チーム戦略部」を新設することを明らかにした。2年目を迎える井口資仁監督(44)が要望し、2億円を投入した日本一の「データ野球」を目指していく。

 ロッテは変わった。球団創設50年目で初の黒字は約7億円になる見通しだと語った山室社長は、その資金を来季のチーム強化へとつなげると約束した。

 「球団経営が黒字化し、来年から攻めに転じます。2億円を投資し、目指すのはフライボール革命を成功させたアストロズです」

 強化の目玉の一つは「チーム戦略部」の新設だ。「フライボール革命」とはシフトが進化し、速い打球のゴロが守備の網にかかることから、内野を越す飛球の方が安打の確率が高くなる理論。アストロズはこの「データ野球」を基に、17年にワールドシリーズを制した。

 一方、ロッテのデータ部門は、今季までスコアラーと打撃投手が兼務など専門家が不在だった。新たな部署は19人体制。楽天のチーム戦略室スコアラーグループマネジャーだった行木(なめき)茂満氏ら他球団の専門家4人を含む6人を新たに雇用。アナリスト(分析官)6人体制であらゆる情報を分析する。

 新たな部署は選手起用から守備位置に至るまでデータを提供し、井口監督ら首脳陣との協議でチームの戦略が決まる。グラウンドだけではなく育成、外国人選手の獲得、トレード、ドラフトなどもビッグデータではじき出す。「最終的に決めるのは井口監督だが、意見を出せる場所があることは大事」と山室社長は展望を語った。

 球界では当たり前だった高性能弾道測定器「トラックマン」を今季ようやく導入するなど、データ部門は最後発だったロッテ。12球団トップのデータ野球を目指す戦いが、年明けから始まる。 (福浦 健太郎)

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2018年12月27日のニュース