恩師トーリ氏が松井氏祝福「ヒデキは人格者…殿堂入りにふさわしい」

[ 2018年1月16日 07:51 ]

野球殿堂入り発表 ( 2018年1月15日 )

03年7月18日、9回にサヨナラ弾を放ち、トーリ監督(左)に祝福される松井(AP)
Photo By AP

 松井氏がヤンキース1年目の03年から5年間師事したのが、大リーグ歴代5位の監督通算2326勝を誇るジョー・トーリ氏(77=現大リーグ機構専務理事)。松井氏と厚い信頼関係を築いた同氏が松井氏の殿堂入りに際し、スポニチ本紙に祝福メッセージを寄せた。

 ヒデキ、おめでとう。ずっと前から、彼は殿堂入りにふさわしい野球人だと見ていた。殿堂入りの条件には人格(=character)の条項が入っており、私にとってはこれが一番大事な要素。長くトップレベルで活躍できる選手の土台になる。ヒデキとジーターには、毎日変わらぬ姿勢で100%の力を発揮するところが共通していた。チームメートみんなが心から敬意を払っていた。

 03年のキャンプ初日。「ゴジラ」の愛称で多くのホームランを期待される彼に「今までヒットエンドランをやったことがあるか」と聞いたら「Anytime you want(お望みならいつでも)」と返事してくれた。その言葉通り、利己的な部分が全くない選手だった。

 プレッシャーがかかったり、どうしても力が入る場面で大きな仕事をした。よく覚えているのは03年のワールドシリーズ第2戦。初回2死、カウント3―0で左投手から中越えに3ラン本塁打をかっ飛ばした。左投手も苦にしなかった。相手が試合終盤、判で押したように(左投手を)ヒデキに起用すると、ジーターはいつも楽しそうに「おやおや、敵はヒデキに左投手をぶつけてきたよ。でもチャンスはないね」と話していたよ。

 今回、選手として殿堂に入ったけれども、今後もっともっと野球界に貢献できるものを持っている。彼は引退後も私の慈善イベントに顔を出してくれている。次は私がディナーをおごる番なんだ。その時に殿堂入りを祝福させてもらう。とても楽しみだよ。 (元ヤンキース監督)

続きを表示

2018年1月16日のニュース