松井氏 最年少43歳7カ月殿堂入り 長嶋氏「いつか次代の4番育てて」

[ 2018年1月16日 05:30 ]

現役時代の松井氏
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 野球殿堂入りを決める野球殿堂博物館の表彰委員会は15日、競技者表彰のプレーヤー表彰として巨人、ヤンキースなどで日米通算507本塁打した松井秀喜氏(43)を選出した。43歳7カ月は史上最年少で、歴代10番目の91・3%の得票率だった。阪神の金本知憲監督(49)と、候補1年目の2人同時選出は初。また、エキスパート表彰として前巨人監督の原辰徳氏(59)が選ばれた。

 有効投票368中、91・3%の336票。候補1年目ではスタルヒンの97・3%、王貞治の93・2%に次ぐ3番目の得票率で松井氏が殿堂入りした。

 「この上ない喜びと光栄な気持ちであります。まずは私を応援してくださり、プレーをいつも後押ししてくださったファンの皆さまに心から感謝申し上げます」

 15年からヤンキースのGM特別アドバイザーを務める。米ニューヨーク州での仕事のため欠席した松井氏は、父の昌雄さん(75)を通じ声を届けた。日米通算507本塁打の豪快なアーチと09年ワールドシリーズでMVPに輝いた勝負強い打撃。誰からも愛される人柄で広くファンに支持された。声援が原動力だったとまず感謝を伝えた。

 43歳7カ月は、14年野茂英雄の45歳4カ月を抜き史上最年少。得票率91・3%は歴代10番目だが、歴代トップ60年スタルヒンの時代は有効投票数111と現在の3分の1以下だった。候補初年度の殿堂入りは過去4人だけと、その功績は疑いようがない。

 「そして入団以来、付きっきりで指導していただきました長嶋茂雄巨人軍終身名誉監督とのご縁がなければ、本日を迎えられなかったと感じております」

 92年ドラフト会議で4球団競合の当たりクジを、長嶋監督が引き当てた。4番1000日計画を掲げ、連日の素振りチェック。メジャー移籍後も折を見て儀式は続いた。その教えが礎となった。13年には2人そろい国民栄誉賞を受賞した師に「心より感謝申し上げたい」と言葉を続けた。

 「いつか指導者としてその手で次代の日本を背負える4番打者を育ててほしい。それが私の大きな夢の一つです」。長嶋氏は自らの夢の続きを託すようにメッセージを寄せた。

 ヤ軍の傘下マイナーを巡回し、指導者としての道を歩み始めている。生活の軸足は米国に置くが、2月の宮崎キャンプで、巨人の臨時コーチを2年ぶりに務める。「必ず7月の授賞式はファンの皆さまに直接お礼をお伝えできればと考えております」と松井氏。日本球界発展のために力を尽くしてほしい。90%を超える記録的選出に込められた思いも、長嶋氏と変わらないものだろう。 (後藤 茂樹)

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