球児「天然で天才」石崎に“火の玉フォーム”伝授

[ 2018年1月16日 05:30 ]

石崎(左)に代名詞の「火の玉フォーム」を伝授した藤川(中央)。右はオリックス・金田
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 阪神・藤川球児投手(37)が15日、沖縄のキャンプ地となるかりゆし宜野座で自主トレを公開した。

 合同自主トレ初参加の4年目・石崎剛投手(27)を「天然で天才」と称し、経験を交えて長いシーズンを戦い抜くために「脱力のススメ」を説くなど“球児塾”を開講。投球時の右膝の使い方で助言を送り“火の玉フォーム”も伝授した。

 若き日の自分を見ているのかもしれない。藤川が、自身に弟子入りした石崎を見つめる目は輝いていた。

 「(石崎は)天然で天才だから(笑い)。一つのことに集中した時の能力は、ものすごく高い選手」

 16年に阪神へ復帰してからの2年間、類い希な潜在能力を発揮できていない姿が目についた。高卒入団でなかなか芽の出なかった自身の姿とも重なる。沖縄での共同生活の中で、眠れる豪腕を目覚めさせる手助けに乗り出した。

 「(これまでは)彼の中では(指導を)受け入れすぎて分からなくなる。良い所を伸ばしていくことが、爆発的な能力を発揮していくと思う」と話すように、短所を指摘するのでなく、持ち味に磨きをかけるための助言を送ることを意識する。

 フォームでは、投球時に右膝が三塁側に倒れる悪癖の修正を進言。膝の運びがホーム方向へ改善できれば、よりボールに力が伝わり、武器である常時150キロを計測する直球の威力が増す。石崎も「球の勢い、力が伝わりやすくなる」と口にするように、藤川の「火の玉ストレート」に近づくことができる。

 プロ入り後から故障がちで、年間通しての活躍がない27歳に“脱力のススメ”も説いた。

 「(石崎は)一本気だから。全力でやっちゃう。投手としては向いてるけど、長くは続かない。1球というのは、シーズンで投げるトータル600球から700球のつなぎと思えば。それを教えるのは難しい。毎日、のどが枯れるよ…」

 坂本も含め、後輩たちの成長へ尽力する一方で、自身の調整にも余念はない。15日は約80メートルの距離で遠投も披露し「あそこまで投げられたのが一番」と笑顔。開幕から5月にピークを持っていくことを意識し、自主トレでは1日7時間に及ぶトレーニングを敢行し汗を流している。

 「(早めの調整は)今年に関しては(中継ぎの)誰かが崩れるかもしれないので。どこかが欠けたら困る。自分もしっかりやらないと」。チームのため、そして38歳シーズンを迎える自分のため――。多くの使命を胸に、背番号22は今年もマウンドに上がる。(遠藤 礼)

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