【星野氏の素顔】島岡監督が「燃える男」の原点「便器を素手で洗うんだ」

[ 2018年1月7日 09:10 ]

星野仙一氏死去

明大時代の星野氏(右)に「なんとかせい!」と声をかけた島岡監督
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 プロ入りして“燃える男”と言われたのは明大での4年間が大きかった。島岡吉郎監督と出会い、人間力野球の薫陶を受けた。

 嫌がる役目は上級生がやることをモットーとし上級生が便所掃除当番だった。あるとき「おまえたちには誠の心がこもってない!」と激怒。部員を前に手本を見せた。「便器に手を突っ込んで御大自ら洗うんだ。それも素手だぞ」と、星野さんはそのすさまじさに心を打たれたという。

 宿敵・早大戦で星野さんの拙い守備から敗れた試合後、グラウンドに戻ると「グラウンドの神様に謝れ」とレギュラー全員が守備位置に正座。雨の中、朝を迎え、明るくなった本塁を見るとパンツ1枚の島岡監督が正座していた。「御大は合宿所に帰ったと思っていた。このときばかりは素直に頭を下げた。参りましたと」

 勝負には命がけ。鉄拳もあるが義理人情、愛情もある。監督時代の星野さんを見るとき、明大OBは背後に島岡監督をだぶらせた。野球部の後輩として誇らしいと同時に「ありがとうございました」と心から思う。(特別編集委員、落合紳哉 明大野球部OB)

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2018年1月7日のニュース