鳥谷 三塁ではGG初受賞「辞めるまでうまくなれる」

[ 2017年12月1日 05:30 ]

三塁手として初受賞。トロフィーを手に笑顔を見せる阪神・鳥谷
Photo By スポニチ

 第46回三井ゴールデングラブ(GG)賞の表彰式が30日に都内のホテルであり、三塁手として初受賞した阪神・鳥谷敬内野手(36)が「辞めるまでうまくなれる」とさらなる守備力向上を誓った。遊撃手4度を合わせた計5度の受賞は阪神内野手では掛布雅之オーナー付シニア・エグゼクティブ・アドバイザー(SEA=62)の6度に次ぎ、大和退団で不安視される三遊間のとりでとして来季も期待が高い。

 鼻骨を骨折しても試合に出続けた虎の鉄人に、また一つ勲章が加わった。今季から本格転向した三塁手でのGG賞。慣れないポジションだっただけに「喜びというよりは驚き」と振り返った。

 「獲れるとは思っていなかった。守備で評価してもらえるのはありがたいことです」

 望んだ転向ではなかった。攻守で苦しんだ昨季終盤から北條に遊撃の座を明け渡す形で三塁を守った。入団以来守り続けてきたポジションへのこだわりは捨てがたく、今春キャンプでも遊撃手として参加。三塁手に収まったのはオープン戦に入ってからだった。

 ただ、やると決まったからには妥協も言い訳もしない。序盤こそ危うさもあっても試合を重ねるごとに安定感を増し、終わってみれば名手の評価を得るまでになった。

 「打球への反応とか、入り方とかは少しずつイメージできるようになってきた。あとはどんどん練習していくしかない。送球の安定感だったり、いろんな部分で辞めるまで、うまくなれるんじゃないかと思っています」

 偉大な先人たちの背中も見えてきた。阪神の日本人三塁手の受賞は掛布SEA以来。来年も選ばれれば、受賞回数でも並ぶ。セ・リーグで遊撃手、三塁手の両方で受賞したのは石井琢朗(横浜)、立浪和義(中日)、宮本慎也(ヤクルト)に続く4人目だ。尊敬するヤクルト・宮本ヘッドコーチは09年に38歳で三塁手に本格転向後、4年連続受賞。どこまで近づけるかにも注目が集まる。

 大和のDeNAへのFA移籍については表彰式が発表前だったこともあり、言及はなかった。誰が遊撃を守るにせよ、三遊間の守備で鳥谷の負担が増す可能性は高い。「守れるポジションが今は三塁しかないので、しっかり取られないようにやるだけ」。遊撃手への思いは封印し、ホットコーナーでさらに技を磨く。それがクールな鉄人の歩む道だ。(山添 晴治)

 ≪歴代最多受賞は福本豊(阪急12度)≫三塁手で初受賞の鳥谷(神)は過去遊撃手での4度を含め、通算5度目の受賞。歴代の最多受賞は外野手の福本豊(阪急)12度で、内野手では石毛宏典(西)、駒田徳広(巨、横)、宮本慎也(ヤ)の10度。このうち石毛は遊撃5度の後三塁で5度、宮本も遊撃6度の後三塁で4度と、鳥谷と同じ受賞歴をたどった。

続きを表示

2017年12月1日のニュース