巨人 36歳村田戦力外のワケ 鹿取GM「内野手の若返りを図るため」

[ 2017年10月14日 06:50 ]

秋季練習にも参加していた村田だったが…
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 巨人は13日、通算360本塁打の村田修一内野手(36)と来季の契約を結ばないと発表した。11年ぶりのBクラスで今季を終えたチームは若返りを図っており、来季以降に十分な出場機会を与えられないと判断した。村田は12年に横浜からフリーエージェント(FA)権を行使して入団。現役続行を希望しており、今後は新天地でのプレーを目指す。

 4年ぶりV奪還へ球団は「若返り」を断行した。都内ホテルで鹿取義隆GMが戦力外を告げると、村田は「男」らしく「はっきり言ってくださって本当にありがとうございます。感謝します」と受け入れた。「ベテラン頼み」からの脱却を図る球団の意向をくんだ。

 同GMは「特に内野手の若返りを図るためこういうことになりました」と説明した。チームの高齢化は顕著。この日、高橋監督が老川祥一オーナーらに行ったシーズン報告の席でも若手育成などの意見が交わされた。指揮官は会談後、再建への展望を「自前で選手を育てることが一番の課題」と述べた。

 球団は36歳のFA戦士を退団させ、若手からアピールする場所がないという「逃げ道」を奪った。今季は開幕時、村田を控えに回してマギーを三塁に起用。二塁や外野に若手を使って成長を期待したが、実らなかった。後半戦は二塁・マギー、三塁・村田。開幕前に「非常事態」として想定した形だった。来季は若手の覚悟が必要となる。三塁は外野から再コンバートする岡本か、残留交渉中のマギー。二塁では吉川尚、山本らを競わせる。

 村田は12年に巨人入りすると第76代4番を務め、チームは同年から3年連続リーグ制覇。鹿取GMは「凄く貢献してもらって非常に感謝している」と話した。今年9月9日のヤクルト戦で移籍後通算746安打とし、FAで巨人に移籍した選手の最多安打を記録。通算2000安打にはあと135本で、秋季練習が始まった9日には「レギュラーとしてプレーするのが最優先」と話していた。

 2度目のFA権を持つが、今季の推定年俸2億2000万円は球団内で上位。権利を行使した場合、獲得球団は金銭もしくは人的補償が必要となるBランクとみられる。鹿取GMは「自由契約の方が彼の選択肢が広がると思った」と、球団側の配慮を口にした。

 118試合出場でチーム4位の決勝打7度と今季も勝負強かった村田。「現役は続けます。必要とされるところで、野球がやりたいです」と話した。

 ◆村田 修一(むらた・しゅういち)1980年(昭55)12月28日、福岡県生まれの36歳。東福岡では投手として3年時に春夏連続甲子園出場。日大で野手に転向し、3年秋に東都リーグタイのシーズン8本塁打。02年自由枠で横浜(現DeNA)入団。07、08年に本塁打王を獲得した。11年オフにFAで巨人移籍。12年5月1日の広島戦で第76代4番に座り、13年には選手会長を務めた。08年北京五輪、09年WBC日本代表。1メートル77、92キロ。右投げ右打ち。

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