千賀を救った“恩師”の指摘 2月13日に「光が見えた」

[ 2017年3月9日 07:56 ]

WBC1次ラウンドB組   日本4―1オーストラリア ( 2017年3月8日    東京D )

<オーストラリア・日本>7回を投げ終え、ガッツポーズする千賀
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 キューバ戦で不安定だった侍ジャパンの救援陣が、1安打無失点リレーを見せた。小久保監督は「投手力で勝った試合だった。苦しい展開だったけれど、今日みたいな継投をしないと勝っていけない」と納得の表情を見せた。

 菅野の球数制限に伴い、5回1死一、二塁から2番手で岡田が登板。1死満塁としながら二ゴロ併殺でしのぐと、初戦に出番がなかった3番手・千賀が圧巻の2回無失点投球を見せた。

 「とにかくゼロで抑えられてその後に点が入って良かった。球場一周全部が応援してくれていたし変な緊張感はなかった」。6回から登板し3番ヒューズを155キロ直球で、4番デニングにはフォークでバットに空を斬らせるなど2回で4奪三振。7回に中田の勝ち越し弾が飛び出し、勝利投手にもなった。

 オフから取り組んでいたWBC球への対応に、千賀は遅れていたが、2月13日に「光が見えた」という。滑る球を意識しすぎて制球難を露呈していると、ソフトバンク・倉野投手統括コーチに自分のフォームで投げていないことを指摘された。

 あの時もそうだ。10年の育成選手ドラフトで4位指名され翌年の新人合同自主トレ初日。プロの先輩たちの動きに「凄すぎる」と戦力外になる自分の姿を思い浮かべた。そこでも「おまえは(実力は)一番下。支配下の選手と同じことをやってたらダメだぞ」と厳しいメニューを課してくれたのが、当時の倉野3軍投手コーチ。恩師の言葉に2度救われた。

 8回からは宮西、牧田がバトンをつないだ。2試合連続で9回に登板した牧田について、指揮官は「元々そういう構想だった」と明かしたが、権藤投手コーチは「まだ抑えが誰かは決めていない」と言う。2次ラウンド以降は千賀が抑えに回る可能性も十分ある。(山添 晴治)

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