【キヨシスタイル!】この時期にMAXのチームはない…侍よ、諦めない姿勢見せろ

[ 2017年3月7日 08:30 ]

 いよいよだね。7日のキューバ戦を皮切りに熱い戦いに突入する侍ジャパン。チーム状態は決してよくない。投打ともにね。2勝3敗に終わった5試合の強化試合を見る限り、不安な部分がたくさんある。

 でもね、日本だけ調整が遅れてるってことはないと思うよ。まだ3月上旬。ウインター・リーグをやってる中南米の国はともかく、シーズン開幕に向けて仕上げている段階の国がほとんどなんだから。この時期に状態がMAXというチームはないよ。

 だから決してマイナス思考には入らないでほしい。いまさら後ろを振り向いても何もプラスにならないから。十分な準備期間があったわけで、言い訳もできないしね。

 みんなの気持ちを一つにして、それぞれが今できる最善を尽くす。それしかない。周りの声なんて気にせず、開き直って戦えばいい。結果は後で聞いてくれ、でいいじゃない。

 一球一球、ワンプレーワンプレーに集中して先手必勝。もし先に点を取られたら、食らいついていく。どんな状況になっても最後の最後まで諦めない姿勢を見せてほしい。そうすれば結果がどう出ても国民は納得してくれるよ。

 2004年のアテネ五輪。私は病に倒れた長嶋茂雄監督に代わり、ヘッド兼打撃コーチとして指揮を執らせてもらった。初めてオールプロで臨んだ五輪。「全勝で金メダル」を絶対目標にしながら、準決勝でノーマークのオーストラリアに0―1で敗れた。それでも選手は気を取り直して3位決定戦ではカナダを11―2で破り、銅メダルを獲得。みんなが心を一つにした最高のチームだった。今でも誇りに思っている。

 さあ、今日のキューバ戦。「絶対に獲る」という思いで全力でぶつかってほしい。キューバの大会前の実戦は1勝5敗1分け。強くないと言われているけど、何をやってくるか分からないチームだからね。特に日本に来てからのオリックス、西武との試合は手の内を隠したかも。決して甘く見ちゃいけない。

 悲観も油断もせず、勝負に対する執念を持ってぶつかる。侍の魂を見せてほしいね。 (スポニチ本紙評論家・中畑 清)

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2017年3月7日のニュース