“女子高生侍”清水美佑 世界一からの新たな挑戦

[ 2017年3月7日 10:10 ]

昨年9月の女子野球W杯・オーストラリア戦で力投する清水美佑
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 世界一の景色を見たからこそ、新たな目標が見つかった。昨年9月の「第7回WBSC女子野球ワールドカップ(W杯)」で史上初の大会5連覇を果たした侍ジャパン女子代表「マドンナジャパン」。メンバー20人中、高校生で唯一選出された清水美佑投手(埼玉栄)は、4月から早大スポーツ科学部へ進学する。同大には女子硬式野球部がないため、競技は関東のクラブチームで続ける予定だ。

 5歳上の兄の影響で小2から野球を始め、中学時代は男子に交じりボーイズリーグでプレーしていた1メートル68右腕。W杯では3試合に登板して計8回1/3を無失点に抑えた。18歳の「女子高生侍」は及第点といえる成績を残したが「変化球の精度とか、直球のコントロールとか、何もかもまだまだ。次回大会へ向けて全体的にレベルアップしたい」と貪欲だ。

 日の丸を背負う中で、今まで「全然決まっていなかった」進路や目標もはっきりと定まった。「日本で女子野球はまだ発展、普及の途中」という大倉孝一監督(現駒大野球部監督)を始め、代表スタッフと話す中で「女子野球を普及させる立場になりたい。自分がその立場に立たないといけない」と考えるようになった。その一歩として早大スポーツ科学部を志望し、自己推薦入試で合格。今春からは同大で勉強しながらクラブチームでプレーを続け、2大会連続のW杯メンバー入りを目指す。

 来年の第8回女子W杯へ向けて思い描く投手像は、昨年のW杯で3勝を挙げて2大会連続MVPに輝いたエース右腕・里綾実投手(兵庫ディオーネ)だ。里は1次ラウンド初戦のカナダ戦では7回2失点だったが、大会が進むごとに調子を上げ、再びカナダと激突した決勝では7回2安打完封。その姿を間近で見ていた清水は「自分も里さんのように、もっと信頼される投手になりたい」と言う。20歳で迎える第8回女子W杯。前人未踏の大会6連覇を目指すマドンナジャパンで、心身ともに成長した姿を見せてほしい。(記者コラム・原田 真奈子)

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2017年3月7日のニュース