藤浪、全戦スタンバイ 権藤コーチ示唆「毎試合、臨戦態勢ですよ」

[ 2017年3月7日 05:37 ]

練習中、笑顔を見せる藤浪
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 世界制覇へ一歩を踏み出す時が来た。自身初の大舞台開幕を翌日に控えた6日、藤浪は1、2次ラウンドの舞台となる東京ドームで最後の調整を行った。5日の強化試合・オリックス戦に先発し2回を投げたばかり。阪神でのシーズン中ではありえないことだが、中1日でキューバ戦のマウンドに上がる可能性も視野に入れ、遠投、ダッシュなどでしっかりと体を動かした。

 「準備をするだけなんで。それしかない。自分の準備をしっかりとしたい」

 すでに本番モードに切り替わっているからか、練習後は通常よりも口数は少なかった。本番前ラスト登板となったオリックス戦は、侍仕様の変化球主体の投球ではなく、あえてストレート中心の力勝負をテスト。ただ、初回に制球が定まらず、先頭打者への四球をきっかけに2つの許盗塁や自身の失策も絡み2点を失った。この結果を受け、従来の「剛腕スタイル」を再封印。2回は一転、カットボール、ツーシームという左右に動くボール中心の打たせて取る投球で3者凡退に抑え「本番では2回のような投球をしっかりできればと」とスタイルを決めた。

 ただ、権藤投手コーチは変化球だけでなく、いざという場面での直球の力も高評価しており、5日の試合後も「オレなりにメドは立った」と話していた。この日、あらためて右腕の起用法を問われ「先発で使うか、2、3番手で使うか。毎試合、臨戦態勢ですよ」と信頼を口にした。キューバ戦に中1日で登板する可能性についても「あるでしょう。2イニングしか投げていないし、中1日ぐらい大丈夫」と明言した。

 平野、松井裕、千賀ら他のリリーフ陣も調子を上げてきている。先発陣も、当初の予定通り石川、菅野、武田、則本の4人で回す方向で、藤浪の出番は流動的だが、見方を変えれば、1次ラウンド全試合に登板する可能性もゼロではない。

 優先的にローテーションが組まれる阪神とは全く立場が違うが、世界一奪回のためには何でもやる覚悟で侍のユニホームに袖を通している。大阪桐蔭での甲子園春夏連覇など大きな大会で輝きを放ってきた右腕が、憧れのWBCの舞台でどんな投球を見せるのか。猛虎の侍が、いよいよ「刀」を抜く。 

  (山添 晴治)

 第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は6日、韓国・ソウルで開幕した。世界一奪回を目指す侍ジャパンは、きょう7日のキューバ戦(東京ドーム)で初戦を迎える。阪神から唯一、代表に選ばれた藤浪晋太郎投手(22)は全試合にスタンバイすることが決まった。6日に同球場で最終調整した猛虎の若きエースは、どんな起用も受け入れ、あらためてチームの優勝に貢献する意気込みを見せた。 【阪神&WBC関係記事2〜5面】

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2017年3月7日のニュース