【石井一久クロスファイア】メジャーでも「C」マーク席巻か

[ 2016年10月5日 09:37 ]

 日本より一足早く、メジャーのポストシーズンが4日(日本時間5日)に始まる。約1カ月間の長丁場を勝ち抜くのはどこか、有力チームの戦力を分析してみたい。

 本命といわれているのが1908年を最後に世界一から遠ざかるカブス。今季は両リーグトップの103勝を挙げた。日本で例えるなら広島で、走攻守のバランスが一番良く、どれも質が高い。特にチーム防御率3・15は、2位ナショナルズの3・51を大きく離して両リーグトップ。19勝レスター、18勝アリエッタ、16勝で防御率1位のヘンドリックスの3枚は強力で、抑えにはチャプマンがいる。名将ジョー・マドン監督の采配も注目で、力は一つ抜けている。

 ア・リーグは日本選手所属の2チームの評価が高い。レッドソックスは何かモチベーションがある時にはチームがまとまる。今年で言えば、オルティスの現役最終年。米国はメディアもファンもこの手のストーリーは大好きで、盛り上げるだろう。上原が好調なのは頼もしい。キンブレルの不調が続くようならば抑えもあるかもしれない。

 レンジャーズはダルビッシュが2番手のようだが、実力的には1番手のハメルズと遜色ない。エースが2人いるのは強みだが、3番手以降は力が落ちるので、この2本柱で確実に勝ち星を拾わないと苦しい。いずれにしても、ア・リーグは力が拮抗(きっこう)している。ワイルドカードのオリオールズ、ブルージェイズも勝ち上がれば、侮れない。

 僕の古巣であるドジャースは先発にはカーショー、前田がいて、打線も駒がそろっている。でも、短期決戦では大量得点は望めない。その時にみんな穴にはまってしまうのが、ドジャース。最後に世界一になったのは88年。長いシーズンでは強さを発揮するが、もう一つ上に突き抜けることができない。勝負弱さは球団の体質なのだろうか。

 では、最後に笑うのはどこか。カブスは、マドン政権2年目で機は熟した。最も世界一から遠ざかっているチームと、最も日本一から遠ざかっているチーム。米国も日本も「C」マークが席巻するのではないか。 (スポニチ本紙評論家)

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2016年10月5日のニュース