藤浪 合同自主トレ異例のお願い 意中の人はマエケン、則本、西

[ 2016年10月5日 08:12 ]

14年11月、侍ジャパンの練習で談笑する(左から)則本、西、岩田、藤浪、前田、大谷
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 エースに学び、真のエース道を突き進む。阪神の藤浪晋太郎投手(22)が今オフ、侍ジャパン人脈を駆使し、他球団のエース級投手との合同自主トレ計画を構想していることが4日、分かった。候補は親交の深いドジャース・前田健太投手(28)を筆頭に、楽天・則本昂大投手(25)、オリックス・西勇輝投手(25)ら。自己ワーストの7勝(11敗)に終わった今季からの巻き返しへ必死だ。

 藤浪にとっては、もがき苦しんだ1年だった。7勝11敗、防御率3・25―。開幕3連勝と幸先よく滑り出すも、シーズン中盤以降は足踏みが続いた。6月9日のロッテ戦(QVC)から自己ワーストの7試合連続勝ち星無しというトンネルに迷い込み、8月30日の中日戦(ナゴヤドーム)では自己最短の1回7失点KOの屈辱も味わった。不完全燃焼のまま4年目シーズンは幕を下ろした。

 反省、課題、そして改善点…。5年目シーズンへ向け、取り組むべきことは山積みだ。もちろん秋季練習・キャンプの間にコーチ陣と話し合いの場を持ち、能見、岩貞ら自軍の先輩投手にもアドバイスを求めることになるだろう。その上で、さらなる進化を目指してオフ期間もフル活用する。構想している次の一手こそ、他球団のエース級投手との合同自主トレだ。

 「一番は(合同自主トレをしたことがある)マエケンさんとやらせていただくのが良いと思っていますが、まだ予定が分からないので…。(前田が無理でも)やっぱり他球団のエース級の方とやりたい。勉強になることが、たくさんあるので」

 「エース」に学ぶ。誉れ高き称号を持つ男たちは心身両面で一流だ。チームが苦境の時こそ勝ちきる投球術を持ち、不調の時でも顔色一つ変えずに腕を振り続ける心の強さも併せ持つ。その「極意」に触れることで、新境地を模索する構えだ。

 実績もある。2年目オフには、当時広島に在籍していた前田健太に“師事”し、約10日間の合同トレを敢行。そこで学び取った「脱力投法」が3年目シーズンの自己最多14勝(7敗)につながった。ただマエケンは現在、ドジャースに所属するメジャーリーガー。オフの予定を合わせることができるかどうかは、現時点では不透明だ。だがマエケンとの調整がつかなくても、今の藤浪には、侍ジャパンで築いたネットワークがある。

 「(楽天)則本さん、(オリックス)西さんは侍でも一緒で、よくしていただいたので」

 同期入団の則本は今季まで4年連続2桁勝利を継続し、通算50勝に到達したパ・リーグを代表する投手の一人。西も通算59勝を挙げているオリックスのエース格だ。普段から親交の深い2投手も“師匠”候補に挙げる。エース格の投手が、他球団のエース格に頭を下げてトレーニングに参加させてもらうのは珍しいが、それでも今の藤浪には一流のエキスを欲している。

 ≪藤浪自主トレ アラカルト≫

 ▼13年 12月以降は鳴尾浜球場で自主トレを継続し、体力強化に主眼を置く。年末年始は1人で練習。

 ▼14年 11月の日米野球で広島・前田健にツーシームを教わり“弟子入り”。藤浪の要望で15年1月13日から24日にかけて、都内で合同自主トレを実施した。制球力アップのため脱力するようアドバイスをもらい「コントロール、キレなどは余計な力を入れないことで、いい球と悪い球の幅がなくなる」

 ▼15年 広島・前田健がメジャー挑戦を表明していたため、2年連続の合同自主トレは断念。鳴尾浜球場を拠点に練習を行う。年明けの16年1月4日には、母校の大阪桐蔭高グラウンドで行った自主トレを公開し、同年初のキャッチボールなどで汗を流す。

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