横浜・藤平 シンカー解禁も…無念「本当は泣きたい」

[ 2016年8月15日 05:26 ]

<履正社・横浜>2番手で登板し力投した横浜・藤平

第98回全国高校野球選手権大会2回戦 横浜1―5履正社

(8月14日 甲子園)
 涙はなく、すがすがしかった。横浜・藤平の最初で最後の甲子園が終わった。「本当は泣きたいし、悔しい。でも自分は横浜のエース。みんなを慰めないといけない」。成長を物語る笑顔だった。

 打線に左6人が並ぶ履正社対策で、先発は背番号10の左腕・石川。藤平は右翼で出番を待った。2回、雷雨で43分中断。難しい調整を強いられた石川は再開直後に逆転3ランを被弾。再び40分中断後、2死一、二塁となって急きょ登板した藤平は、いきなり初球146キロを右翼線二塁打されて2点を失った。優勝候補の最右翼だった東の横綱も、この5失点は重く響いた。平田徹監督は「石川も状態が良かったので2、3回しのいでくれたらと思ったが、裏目に出た」と肩を落とした。

 新球シンカーを解禁して3回以降は無失点。最速147キロを計測した藤平は「本当は1から9回まで寺島と投げ合いたかった」としながらも「得たものは大きい」と振り返った。注目の進路については「プロを目指す」としてプロ志望届を提出することを示唆した。「寺島と勝負できて楽しかった。甲子園は本当に良い場所だった」と振り返った藤平。花咲徳栄・高橋昂と並ぶビッグ3の一角が静かに聖地を去った。(松井 いつき)

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2016年8月15日のニュース