エルド 1軍復帰即アーチ「しっかり仕事ができた」

[ 2016年8月15日 05:30 ]

<D・広>7回無死、勝ち越し左越えソロを放つエルドレッド

セ・リーグ 広島3―2DeNA

(8月14日 横浜)
 復帰した大砲がひと振りで試合を決めた。広島は14日のDeNA戦(横浜)を3―2で制し、2カード連続の勝ち越し。殊勲は昇格したばかりのブラッド・エルドレッド内野手(36)だ。同点の7回、左翼中段へ豪快な17号決勝弾。6回に救援した大瀬良大地投手(25)に嬉しい今季初勝利が付いた。2位・巨人が勝ったため、優勝マジックは最短18日に24が点灯する。

 こんな一発を待っていた。戦列復帰したばかりの大砲が、こう着状態だった試合をひと振りで動かし、勝利に導いた。敵地に詰めかけた赤ヘル党の大歓声を受け、殊勲のインタビューを受ける表情が誇らしい。自慢のひげをピクつかせ、エルドレッドは胸を張って言った。

 「自分が打線の中にいると、こういうゲームができる。ああいう場面で何かを起こすのが自分の仕事。パワーバッターの特徴を出し、しっかり仕事ができたと思う」。

 1―1の7回だ。先頭打者で、今永が投じた真ん中高めボールゾーンへの初球、139キロの直球に反応。120キロの巨体に弾かれた打球は鮮やかな放物線を描き、真っ赤に染まる左翼中段に着弾した。登録抹消2日前の6月14日、西武戦以来の17号勝ち越し弾だ。

 6回まで、打線全体が敵の左腕に散発2安打と沈黙。助っ人自身も「久々のナイターでボールが見えづらかったんだ」として、2打席連続三振に倒れていた。だが、バットに当たりさえすれば、この通りだ。ひと振りで勝利を呼び込む、価値ある一撃となった。

 「ルナが居れば、居る分の打線が組める。エルドレッドが加われば、加わったなりにこういう試合ができる。しっかり仕事をしてくれた。2人を使いたいけど、チーム事情があるからね」。

 緒方監督はこの日、3試合無安打が続いていたルナを「疲れが見える」として抹消。6月15日の西武戦で右大腿二頭筋挫傷を負い、完治後のウエスタンリーグ19試合で打率・305、7本塁打の大砲と入れ替えた。昇格即の決勝弾。指揮官の起用が見事にはまった。

 「思ったよりも(復帰に)長くかかったが、チームメートとまた野球ができて嬉しいよ。自分のバットとパワーでチームを勝利に導きたい。優勝を勝ち取りたいね」。

 患部が完治しても外国人4枠の関係で昇格を見送られ、満を持して復帰となったエルドレッドは闘志をみなぎらせる。2位・巨人とは6・5ゲーム差。相手投手に重圧をかけ、マジック点灯目前のチームを頂点に導く一撃に期待大だ。(江尾 卓也)

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2016年8月15日のニュース