ソフトB まさか…吉村9回2死から凡ミスで同点、サヨナラ負け

[ 2016年8月15日 06:45 ]

<ロ・ソ>9回2死一、二塁 福浦の打球を吉村が痛恨の失策

パ・リーグ ソフトバンク2―3ロッテ

(8月14日 QVCマリン)
 まさか…。ソフトバンクは14日、ロッテと対戦し、2―0とリードした9回2死一、二塁で「4番・一塁」で先発した吉村裕基外野手(32)が平凡な一ゴロを失策。満塁となった直後に鈴木の2点適時打で追いつかれ、延長10回にサヨナラ負けした。3カード連続の負け越しで、ついに2位日本ハムに2ゲーム差まで詰め寄られた。

 野球は本当に怖い。9回に一挙5点でサヨナラゲームとなった甲子園での東邦―八戸学院光星戦ではない。首位・ソフトバンクの話だ。

 「ご覧の通り。最後の最後でみんなを裏切ってしまった。言葉がない」。

 そう言って表情をこわばらせたのは吉村だった。息詰まる投手戦。9回にようやく2点を先制した直後の守備だった。2死一、二塁で福浦の打球は平凡な一ゴロ。終わった…。両軍のベンチ、ファンもそう思ったはずだった。ところが、吉村がこの打球をファンブル。慌ててボールをつかんだ時には福浦が一塁を駆け抜けていた。

 ピンチは満塁に広がり、続く鈴木の打球はライナー性で右翼へ。チャージしてきた福田だったが、捕球できず(記録は安打)に同点を許した。難しい打球ではあったが、福田は「あれを捕らないと僕の価値はない。申し訳ないです」と下を向いた。

 勝利目前での信じられない“高価”なミスで、結局、延長10回にサヨナラ負け。工藤監督も「ああいうことも起こるんだな。野球って難しいよね」と言葉を失った。

 主将で4番の内川は連敗を6で止めた前夜に腰痛のため途中交代し、この日も打撃練習などは行わず欠場。代役で4番を務めた吉村は初回2死三塁と3回2死一、二塁で凡退し、4打数無安打。内川不在の影響の大きさを感じさせた。

 9回に守備固めをしなかったことを問われた工藤監督は「吉村君はサードもファーストも守れるし、しっかりできる子なんで」と説明した。ただ、外野手登録の吉村が一塁守備に就いたのは今季3試合目。先発では初めてのことだった。

 2位日本ハムが勝ち、ゲーム差は2になった。2ゲーム差まで詰められるのは、ロッテと首位を争っていた5月17日以来のこと。指揮官は「まだ2ゲーム上にいる。一番自分たちが優勝に近いところにいるのは間違いない」と自らに言い聞かせるようにして球場をあとにした。(田中 貴久)

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2016年8月15日のニュース