イチロー 異例の“予告先発”スタメンも…4打数無安打

[ 2016年7月31日 05:30 ]

<マーリンズ・カージナルス>8回裏1死、二塁、スタンドのファンが見つめる中、空振り三振に倒れるイチロー

ナ・リーグ マーリンズ6―11カージナルス

(7月30日 マイアミ)
 メジャー通算3000安打まであと2としているマーリンズのイチロー外野手(42)は29日(日本時間30日)、カージナルス戦に「3番・左翼」で3試合ぶりにスタメン出場し、4打数無安打で大台到達は持ち越しとなった。球団が公式ツイッターで先発を予告し、2万7414人のファンが本拠地のマーリンズ・パークに集結。大歓声が注がれる中、先発した試合では7試合ぶりに快音が聞かれなかった。

 本拠地のマーリンズ・パークはこの日4度目の大きなため息に包まれた。8回1死二塁。イチローは横手投げの左腕キークヘファーに3球三振を喫した。配布された「ROAD TO 3000」と書かれたイチローの写真入りのプラカードを手に声援を送ったファンの大半が帰路に就いた。

 メジャー通算3000安打まであと2に迫り、球団が告知した異例の「予告先発」。2万7414人の観衆が集まり、弓子夫人もスタンドで見守った。今季初めて3番を任されて偉業達成への舞台は整ったが、先発右腕リークに阻まれた。三直、捕ゴロ、遊ゴロ。カットボールで内角を意識させられ外角にも球を散らされて芯を外された。

 絶妙の配球は名捕手モリーナの仕業。「モリーナはいつも意識していますよ。そういう勝負ですから」。ファウルで粘り3打席で24球を投げさせたが、仕留められなかった。28歳のリークはおばがシアトル在住で10代のころにマリナーズ時代のイチローを球場で何度も観戦。レジェンドとの対戦に「素晴らしい時間だった」と目を輝かせた。

 しかし、ただでは終わらないのがイチローだ。4回1死三塁での左翼守備。ライン際の飛球を処理すると、本塁へショートバウンドのストライク送球で今季6個目の補殺だ。「勢いを利用できていない。止まって投げた感じ。もうひとつだったけど、アウトになればいい」。事もなげに振り返ったが、大リーグの計測システム「スタットキャスト」で91・6マイル(約147キロ)を計測した。

 ドン・マッティングリー監督は30日(日本時間31日)の同カードには先発出場しないと明言。31日(同8月1日)も相手先発マルティネスと外野のレギュラー3人が好相性のため、先発は極めて微妙だ。本拠地10連戦は残り2試合。次戦、ベンチから一振りに備える。(笹田幸嗣通信員)

続きを表示

この記事のフォト

2016年7月31日のニュース