阪神ドラ1高山 甲子園1号 浜風なんの!237打席ぶり一発

[ 2016年7月31日 05:30 ]

<神・中>5回無死、高山はソロを放ち、ベンチのナインと笑顔でハイタッチする

セ・リーグ 阪神8―2中日

(7月30日 甲子園)
 会心の一発だ。阪神・高山は浜風を切り裂き、待望の甲子園1号を虎党の元へ届けた。“聖地”でのアーチは日大三で全国制覇した5年前の夏以来。やはり、甲子園の夏がよく似合う。

 「打った瞬間、風でどうかなとも思ったんですけど。うれしかった。(プロ通算)3本目ですけど、一番うれしかった」

 2点優勢の5回。1ストライクから吉見のスライダーを捉え、右翼席最前列まで運んだ。「以前から『打つポイントを前に』と指導をもらっていて、あの1打席だけですけど、良かったと思う」。4月24日の広島戦以来、出場66試合237打席ぶりの3号ソロで、後続の猛攻を導いた。

 夏が来る度、後輩の奮闘を見る度に力がわき上がる。今月14日には母校・日大三が西東京大会で佼成学園との初戦に挑み、6―9で迎えた9回裏に逆転サヨナラ勝利。ツイッターで8回終了時まで確認して「これは負けだな…」と覚悟した後、奮闘を知った。「まさか勝つとは思ってなかった。これぞ高校野球ですよね」。自分のことのように喜び、思い返した。

 「僕らもそういう試合がありましたよ」

 11年夏の甲子園大会、開星(島根)との2回戦は先行し、逆転を許す苦しい展開だった。「自分たちは点を取られるけど、その分取り返すことが出来るチーム。もう一回やろうと言い合いました」。中盤に一挙6得点の猛攻で再逆転勝利。「その勝ちで勢いが乗った」と振り返った。

 「後輩たちの活躍は、もちろん気にします。刺激になります」

 今夏の日大三は準決勝で敗退。直後にツイッターで「来年は行けるように頑張ってほしい」とエール送った。得難い経験を手にした3年間だったから、後輩にも…と願ってやまない。あの夏の決勝戦と同じように球場で観戦していた両親に活躍を届けた。7月は打率・379の上昇。夏を迎え、一段と輝きを増した。 (久林 幸平)

 ▽日大三・高山の3年夏甲子園 5番右翼で全試合に出場。決勝の光星学院戦では3回2死一、三塁から決勝の先制3ランを放つなど2安打5打点。大会を通じて20打数10安打2本塁打、打率5割の活躍でチームを優勝に導いた。

 ≪鳥谷以来12年ぶり≫阪神のドラフト最上位新人が甲子園で本塁打を放つのは、04年鳥谷(03年ドラフト自由枠)以来12年ぶり。5月27日横浜戦で東から1号ソロ。プロ45打席目だった。

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