中田、逆転満弾!直近6戦で5発、打点単独トップに

[ 2016年6月3日 05:30 ]

<日・ヤ>6回1死満塁、本塁打を放って、叫ぶ中田

交流戦 日本ハム8-6ヤクルト

(6月2日 札幌D)
 札幌ドームのファンが一斉に立ち上がり、歓喜に沸いた。3点を追う6回1死満塁。日本ハムの主砲・中田が秋吉の141キロ直球を強振した。高々と舞い上がった打球は左翼スタンドに着弾。試合を一気にひっくり返した。

 「自分を信じて打席に入った。気持ち良かった。打った瞬間、いくと思った」。まさに千両役者。これで6戦5発とし、49打点でリーグ単独トップに躍り出た。この打席、スライダーが武器の秋吉に対し「追い込まれるまでは変化球待ちだった」。初球の147キロ外角直球を見極めると、続くスライダーをカットした。そして、3球目。秋吉が捕手のサインに首を振るしぐさを見て「なんかおかしいと思った。一気に真っすぐ待ちに変えた」。真ん中に吸い込まれるように入ってきた直球。今の中田がこれを見逃すことはなかった。2戦連発で6年連続2桁本塁打となる今季10号。自身3本目、自身初の札幌ドームでの満塁アーチで勝利を呼んだ。

 人知れず悩んだ。5月半ば。まだ5本塁打だった中田が不意に漏らした。「去年の今頃、(本塁打を)何本打ってたっけ?」。自身初の30本塁打をマークした昨季は5月2日に両リーグ一番乗りで10号に到達。今季はなかなか本数が伸びず「今、もがき苦しんでいたら後で神様が助けてくれる」と我慢の日々だった。昨季から1カ月遅れでの10号到達に「去年はとっくに打っていた数字」と照れ笑いが浮かんだ。

 2回1死満塁で二飛に倒れた時はバットを振り上げ、悔しさを爆発させた。「僕は感情を表に出していいと思っているタイプ。暴れる時は暴れたいし、喜ぶ時は喜びたい」。貪欲に勝利を追いかけるスラッガー。そのがむしゃらな姿が最高の結果を生んだ。(柳原 直之)

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2016年6月3日のニュース